はくさい

はくさい

「はくさい」は、漬物やなべ物の材料として日本の食卓になじみのある野菜となっています。そんな幅広く使える冬の万能野菜の代表格といえる「はくさい」を紹介します。

1.はくさいの起源はヨーロッパ

はくさいは、英語でchinese cabbageといいます。はくさいの歴史をさかのぼると、約2,000年前にヨーロッパの麦畑でアブラナ科の雑草として生えていた菜種の種が麦などについて、地中海域、中央アジアを経て中国へ渡りました。この種からかぶや漬菜など多くの葉類が分化して、その後華北のかぶと華南・華中の漬菜が交雑して、結球はくさいの原型が生まれたといわれています。中国から日本に入ってきたのは明治の初めのことです。はくさいが広まったきっかけは、日清・日露戦争において従軍した兵士たちにより、現地のはくさいの種子を日本に持ち込んだのが始まりであるといわれています。

2.はくさいの特徴

  • はくさいのタイプ
    はくさいのタイプには大きく分けて、結球、半結球、非結球タイプがありますが、現在流通しているのは、ほとんどが結球タイプです。はくさいが結球するためには、80~100枚の葉が必要といわれます。
  • はくさいの好む気候
    はくさいの生育には、15~20℃のやや冷涼な気候が適しています。かつては、はくさいの収穫は秋冬を中心にして行われましたが、現在では春から初夏にも高冷地で収穫されて、一年を通じての野菜となっています。平成19年の収穫量のうち秋冬はくさいは茨城県で、夏はくさいは長野県で最も多く収穫されています。
  • はくさいの成分
    はくさいに含まれる成分のおよそ95%は水分ですが、いろいろな栄養素が含まれています。中でも比較的多く含まれているカリウムは、ナトリウムの排出を促進する働きがあるため血圧を下げる効果があります。また、かつて冬場にあまり野菜が出回らなかった時代には、ビタミンCを補給してくれる貴重な存在でした。

3.はくさいの選び方など

はくさいは一年中手に入る野菜ですが、旬は10月下旬から2月頃で、霜にあたると繊維が軟らかくなり風味も増します。外葉が色鮮やかで、白い部分につやがあり、ずっしりと重量感があって、葉の締まりがよいものを選びます。2分の1などにカットされたはくさいは、芯の部分を見て選びます。カット後も中心付近は成長を続けるので、盛り上がる度合いで新鮮さがわかります。
はくさいを保存する場合は、新聞紙に包んで保存します。また、調理する際に、はくさいを縦に割るときは、根元から軽く包丁を入れて手で割ると、葉先がバラバラにならずにすみます。

協力 : 茨城県農林水産部園芸流通課