チョコレート

チョコレート

チョコレートは、数多くあるお菓子のなかでも代表格でしょうか。チョコレート単体だけでなく、チョコレートケーキ、チョコパン、チョコクッキーなど、いろいろなスイーツの素材にも使われ、身近な食品です。また研究により、健康にも役立つことが分かってきました。今回はチョコレートについてその歴史にもふれながら、チョコレートにまつわる豆知識をお届けします。

1. 起源と歴史

チョコレートの原料であるカカオは、紀元前2000年ごろから、現在のメキシコ南部、中央アメリカを中心としたメソアメリカで栽培されていたと推定されています。当時のチョコレートは今とは違って、カカオを磨り潰したドロドロした飲み物で、それにとうもろこしの粉を加えたり、バニラや唐辛子で香りをつけて飲んでいました。また15世紀までカカオは貨幣として流通するほど珍重され、アステカ王国では税や貢ぎ物としても納められていました。コロンブスがアメリカ大陸に到達した後、スペインにカカオがもたらされ、16世紀~19世紀にスペインから欧州各地へ伝播しました。日本にチョコレートが伝わったのは江戸時代のこと。外国との交易の窓口であった長崎に、チョコレート伝来の記録があります。

2. カカオが「飲むココア」と「食べるチョコレート」に変身

18世紀後半に生じた世界各地の革命によるカカオ流通の混乱や安価なコーヒー・紅茶の普及により、チョコレートの生産と消費は減退しました。このような情勢の中、チョコレートを現在の形にする技術革新がありました。

ココアの発明(1828年 オランダ)

それまでの飲みにくかったチョコレートを飲みやすくするため、カカオ豆に含まれている脂肪(ココアバター)を搾り取る技術を開発し、ココアパウダーの製法を発明しました。ココアのはじまりです。

食べる(固形)チョコレートの発明(1847年 イギリス)

当時のチョコレートは、ココアパウダーと砂糖をお湯に溶かした飲料でしたが、ココアパウダーと砂糖にココアバターを加えて冷やすと、常温で固体になる固形のチョコレートが発明されました。また当時の食べるチョコレートはまだ苦味が強く、そこでミルクを加えてまろやかにしたミルクチョコレートが開発されました。
また長い時間をかけて練り上げることができるコンチェという機械が発明され、トロリとして口溶けの良い、滑らかなチョコレートができあがりました。

3. チョコレートを食べると太りますか。虫歯になりますか。

チョコレートの成分であるカカオポリフェノールには、脂肪蓄積を抑える効果が報告されており、同量の油脂を含む他の食品に比べると太りにくいと考えられます。
第二次大戦後、スウェーデンで行われた実験で、間食にチョコレートを食べた場合、キャンディーやトフィーと比較して虫歯の発生は少ないことが分かり、虫歯菌を抑制する効果を示す成分が含まれていることが認められました。

4. 健康への効能

近年ではカカオに含まれる成分の研究が進み、抗酸化力のあるカカオポリフェノールやその他の成分などの優れた生理機能が明らかにされ、健康に役立つことが分かってきています。カカオポリフェノールの抗酸化作用は、心臓病のリスク低減、動脈硬化の抑制作用、脂肪蓄積を抑える効果といった生活習慣病の予防効果、脳機能の改善効果などが、研究成果として報告されています。

5. バレンタインデー

聖バレンタインは3世紀のローマの司祭で、ローマ皇帝の強兵策のひとつである兵士の結婚禁止令を破り、多くの兵士を結婚させたため、処刑されました。処刑された日が「2月14日」でした。聖バレンタインの殉教をいたむ宗教的な行事が、14世紀ごろには若い人たちが愛の告白をしたり、贈り物をする日に変わってきました。日本では1958年にあるチョコレート会社が東京のデパートで「バレンタインセール」を行ったのが、現在のバレンタインデーの原形といわれています。しかし当時はそれほど広まらず、「女性が男性にチョコレートを贈って愛を告白する日」が定着したのは、1970年代からでした。バレンタインデーにチョコレートだけを贈るのは日本独特の習慣のようです。

協力:日本チョコレート・ココア協会
住所:〒105-0004
東京都港区新橋6丁目9-5 JBビルディング6F
HP:http://www.chocolate-cocoa.com/