アサリ
アサリといえば潮干狩りが春から初夏までの風物誌となっております。また昔から日本人になじみの深い食材で、家庭料理でも頻繁に利用されます。今回はアサリについて取り上げます。
1. アサリはどんな貝
アサリは、ハマグリなどと同じ仲間(マルスダレガイ科)の二枚貝で、石器時代の貝塚からもたくさん出土しています。
アサリの主産地は、北海道から九州までの塩分濃度が比較的低い砂地(干潟)、それも水温の関係で日本海側より太平洋側となっています。日本以外では、朝鮮半島や中国の一部でもとれます。
2. アサリの産卵期
外見からは分かりませんが、アサリにも雄と雌があって、雌は一回に数百万粒の小さな卵(大きさ0.06~0.07mm)を産みます。
産卵の時期は一般に春と秋が中心ですが、同じ海でも場所によって差があり、全体的にみると冬を除いてほぼ一年中産卵しています。環境などの刺激で一斉に産卵するため、春など産卵が多い時期には、海が雄の精子で白くなることもあります。
受精した卵は10時間くらいでかえり、浮遊幼生(プランクトン)になります。そして一週間くらいで貝の形になり、2~3週間で着底します。
3. アサリの成長
アサリの寿命は8年から9年といわれ、殻の長さ(一番長いところ)が最大で7cmまでになりますが、普通みられるのは大きくても5cmくらいまでとなります。
水温が適した春や秋には成長が早く大きくなり、特に春の潮干狩りシーズンには「一潮」(ひとしお:大潮から次の大潮まで)でかなり大きく成長します。
4. アサリの海水浄化機能
アサリは、水の中の小さなプランクトンや生物の破片などを「えら」でこし取って食べています。
そして「入水管」、「出水管」と呼ばれる2本の管があり、これから水を出し入れして砂の中に潜ったままでエサを含んだ水を取り込んでいます。
アサリが水をこしとる量はかなり多く、しかもアサリが食べられないような汚れも粘液で包んで排出し、それをヤドカリ等の他の生物が食べます。そのため、アサリが多くいる干潟は、海水をきれいにするのに大変役立っています。
5. アサリのおいしい時期
アサリは春と秋に太ります。これは、産卵期で産卵のため栄養をため込み、また卵などを作る生殖腺が大きくなるためです。特に水温が上昇してくる春はエサを食べてどんどん太るため、1年で一番おいしいアサリが食べられます。
6. アサリの栄養成分と効果
アサリはミネラルが豊富で、鉄分、カリウム、カルシウム、亜鉛、マグネシウムなどを含みます。また、タコやイカ等の軟体動物に多いタウリンや、アミノ酸の一種であるアルギニンなども含まれています。
栄養 | 効果 |
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タウリン | 血圧やコレステロールを下げ、肝臓における解毒機能の向上など |
アルギニン | スタミナ補強や抗酸化作用 |
協力:静岡県水産技術研究所浜名湖分場
浜名湖体験学習施設 ウォット