枝豆
ビールのおつまみとして、枝豆を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。また、枝豆が、大豆であるということをご存知でしたか。そんな「枝豆」に関する豆知識を紹介します。
1.名前の由来と歴史
「枝豆」という名前の由来は、その名のとおり枝つきのまま、ゆでて食べたことからこう呼ばれています。かつては、田のあぜなどに植えられたことから、地方によっては「あぜ豆」とも呼ばれています。
枝豆は、大豆を未熟なうちに収穫するものをいいます。枝豆として食べ始めた時期は定かではありませんが、奈良あるいは平安時代からともいわれています。江戸時代の文献には、夏に枝豆売りの姿が路上でみられたとされる記述が残されています。
2.品種と種類
枝豆は鮮やかな緑色が特徴的ですが、「奥原早生」「白鳥」や「サッポロミドリ」などさまざまな品種があります。その違いは早生か晩生か、さやや茎を被っているうぶ毛の色などです。また、大豆の一種である茶豆や黒豆も独特の風味が好まれて、近年、枝豆として全国的に出荷されています。主なものに、山形の「だだちゃ豆」、新潟の「茶豆」や兵庫の「丹波黒」などがあります。茶豆も黒豆も成熟する前は、さやも実も緑色です。枝豆用として収穫せず、そのまま生育させていけばやがて大豆になりますが、近年では枝豆専用の品種も出回っています。
3.栄養素
枝豆は、成熟した大豆と同様に、エネルギー、脂質、良質なたんぱく質に富んでいます。さらに、大豆には含まれないビタミンAやCを含むほか、ビタミンB1を豊富に含んでいます。ビタミンB1は、糖分の代謝をよくし、神経の機能を正常に保つ作用があることから、疲労回復、夏バテ防止に役立ちます。また、枝豆のたんぱく質の中に含まれるメチオニンという物質は、ビタミンA、B1、Cとともに、アルコールの分解を助け、肝臓の負担を軽くします。お酒のおつまみとして枝豆を食べることは、理にかなったことといえます。
なお、枝豆はさやごとゆでるので、ゆでてもそれほど栄養成分が変わることはありません。
4.主な産地
枝豆の日本国内の収穫量(平成18年産)は、約7万1千トンです。最も収穫量の多い県は千葉県で、次いで山形県、埼玉県、新潟県、群馬県、秋田県と続き、この6県で全体の約5割を占めます。また、海外からも輸入されており、平成18年の財務省貿易統計によると主な輸入相手国は中国、台湾、タイ、インドネシアなどで、輸入実績は約6万7千トンです。
5.枝豆は鮮度が重要
枝豆は、鮮度が決め手となります。収穫後、時間が経つにつれ、豆の中の糖分が少なくなっていくので、その日のうちに食卓に届くよう、収穫は夜明け前に行い出荷するところが多いようです。輸入される枝豆も含め、冷凍枝豆は収穫後すぐにゆでて冷凍するため、比較的糖分が失われることはありません。
協力 : 独立行政法人農畜産業振興機構
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