ウナギ

ウナギ

夏の暑い時季、ウナギが家庭の食卓に上ることも多いのではないでしょうか。今回は、「土用の丑の日」「かば焼き」などでお馴染みの「ウナギ」に関する豆知識を紹介します。

1.古くからのスタミナ食

奈良時代の歌人である大伴家持は、万葉集の中の歌で「夏やせに良い」と、ウナギを食べることを勧めています。すでにその当時から、ウナギが滋養に良い食品と考えられていた様子がうかがわれます。現在でも、多くの日本人にとって「かば焼き」をはじめとするウナギ料理は、夏のスタミナ食、ご馳走の一つであると理解されています。
このように、ウナギは古くから食用とされており、とても馴染みの深い魚ですが、詳しい生態については、未だに解明されていない部分もあります。

2.ウナギの成長過程

卵から孵化(ふか)したウナギの幼生(仔魚)は、柳の葉状の透明な姿で、成魚とは似つかぬ形をしています。この幼生が何を食べているのかは不明でしたが、今日では、プランクトンの死がいなどからなる「マリンスノー」と呼ばれるものを食べていることが分かっています。体長50mm程度まで成長すると、姿を大きく変え(変態)、「シラスウナギ」になります。

3.ウナギの養殖

日本は世界一のウナギ消費国といわれています。日本で消費されるウナギの大半は養殖されたもので、ある程度成長した天然のシラスウナギを河口で捕獲して、成魚になるまで育てています。現在では、成魚から採った卵を孵化させて育てる技術(完全養殖)が研究されています。

4.調理法について

ウナギの血液などには有毒な成分が含まれており、刺身として食べることはほとんどありません。なお、この成分は熱に弱く、加熱すれば問題はありません。
「かば焼き」の名前の由来については「ウナギを開かずに串に刺し、丸焼きしたものの形が、蒲(がま)の穂に似ていたことから『蒲焼(がまやき)』と呼ばれ、後に『かばやき』となった」という説が有力です。
日本の近隣では中国や韓国など、ヨーロッパではフランス、イタリア、スペインなどでも食用とされています。調理法としては、ぶつ切りあるいは丸ごとを、スープや煮込み料理にするものが多いようです。ドイツなどではウナギをくん製にして食べます。

5.ウナギの栄養価

ウナギは、ビタミン・ミネラルなど、さまざまな栄養成分を含んでおり、とても栄養価の高い食品といえます。 特に、ビタミンは種類、量ともに豊富です。

(可食部100g中に含まれる栄養成分)(単位:mg)
  ビタミンA ビタミンB1 ビタミンB2 ビタミンE カルシウム
ウナギ 2400 0.37 0.48 7.4 130
サバ(マサバ) 24 0.15 0.28 0.9 9
牛肉(モモ) - 0.09 0.20 0.2 4
豚肉(モモ) 4 0.90 0.21 0.3 4
鶏卵(全卵) 150 0.06 0.43 1.0 51

(「五訂増補日本食品標準成分表」より作成)

協力 : 日本養鰻漁業協同組合連合会
ホームページ : http://www.wbs.ne.jp/bt/nichimanren/