フラッグフットボール
学校教育の現場でここ最近急速に普及した球技にフラッグフットボールがあるのをご存知ですか。このフラッグフットボールという球技、その特徴から「運動が苦手な子たちが変わる」、「クラスの関係づくりが変わる」体育教材として全国に広がっています。
今回は、そんなフラッグフットボールについてご紹介しましょう。
1. フラッグフットボールってどんなスポーツ?
フラッグフットボールは、アメリカンフットボールが起源になって生まれたスポーツで、「タックル」の代わりにプレイヤーの腰の左右につけた「フラッグ」を取ることからその名前がつけられました。アメリカンフットボールの戦略性をそのままに、少人数/小スペースで安全に楽しむことができるように開発されたスポーツです。
2. フラッグフットボールの特徴
- 攻撃のたびに、みんなで作戦を話し合う
攻撃のたびに「ハドル」と呼ばれる作戦タイムが設けられます。みんなで話し合い、確認し合い、協力プレーを展開する「楽しいグループワーク」のようなスポーツです。 - 気軽に、誰でも楽しめる
楕円形のボールを持って走るだけで得点できます。ボールを渡す、投げる、受け取る、腰につけた相手のフラッグを取るといった簡単な動きだけで楽しめ、選手も自由に交代できます。 - 参加選手全員が活躍できる
「みんなで作った作戦を成功させる」ゲームであるため、「ボールを受け取ったふりをして相手を引きつける」、「味方が通るためのカベになる」など、「運動が苦手な子の役割」を考えるようになり、参加選手全員が活躍できます。
3. 小学校授業向け3対2ゲーム
ルールはシンプルにすることがお勧めです。学習指導要領でも「簡易化したゲーム」と記載があるように、シンプルにしておくことで、フラッグフットボールの学習要点が理解しやすくなり、楽しくプレーするための工夫が生まれやすくなります。
ここでは、小学校授業向けの3対2ゲームについて、ご紹介します。
基本ルール
- 攻め3人、守り2人 、ボールは1個
- 1回のプレーごとにメンバー交代。全部で4回の攻撃ができる。
- 攻撃の前には、毎回作戦の確認タイム(ハドル)をとる。
- スタートは「レディ・セット・ゴー」の合図で始める。
- 攻めは全員がフラッグを2枚腰につけ、一人がボールを持ってスタートゾーンから走り出し、フラッグを取られないように通り抜けてタッチライン(6点ゾーン)をめざしていく。途中でフラッグを取られたら、その地点の得点が入る。横の線から出たり自分がボールを落としたりした場合もその地点の得点が入る。
- スタートゾーンの中でだけボールを渡せる。
- 守りは得点されないよう相手のフラッグを取って守るが、スタートゾーンに入ったり、手を伸ばしてフラッグを取ったりはできない。
新たに加えるルール
慣れてきたら前に投げるパスをルールに組み込むのもお勧めです。
- スタートゾーンの中からのみ前方へのパスが1回できる。
- パスをキャッチしたらタッチラインをめざす。キャッチできた場合は、キャッチ点として、キャッチした地点の得点も加えられる。
- パスを落としてしまったら攻撃は終了。ただし、ボールに触ることができたら、その地点の得点が入る。パスを全く触れなければ0点。
4. フラッグフットボールは学校で人気
フラッグフットボールは、「攻撃のたびに話し合い、作戦を考え、役割分担を決めて、みんなで一緒に成功体験を味わう」というルール上の特徴が受け入れられたこともあり、体育の授業において急速に広まりました。2020年度から施行される新しい「学習指導要領」にも正式に掲載されています。
協力
協力:公益財団法人日本フラッグフットボール協会
〒158-8508
東京都世田谷区深沢7-1-1 日本体育大学内
H P:https://www.japanflag.org