アイスホッケー

アイスホッケー

アイスホッケーは、30m×60mの楕円形をしたスケートリンク上で、6人編成(フォーワード3人、デイフェンス2人、ゴールキーパー1人)の2チームがスティックを用いて硬質ゴムでできた円盤型のパックを打ち合い、相手チームのゴールにパックを入れることで、得点を競うゲームです。今回は、氷上の格闘技とも呼ばれるアイスホッケーについて、豆知識をお届けします。

1. アイスホッケーの歴史

アイスホッケーの起源説は数多く存在し、発祥地として名乗りを上げている国々は世界各地におよんでいます。
有名なものでは、16世紀のオランダの絵画に描かれている、市民が凍結した運河の上で行っているスポーツの光景が、ホッケーの紀源ではないかという説があります。ほかに、スコットランド発祥のシンティ、アイルランド発祥のハーリング、さらにネイティブアメリカンのチペア族のバゲタウェイなど、さまざまな説がありますが、それぞれのスポーツには、アイスホッケーとの相違点があります。
また、1763年にフランスからカナダ領土を勝ち取ったイギリス人兵士達が、凍結した河川、湖、池などで行っていたスポーツが起源という説もあります。
日本では、ちょうど100年前の大正4年に平沼亮三氏がアイスホッケーの防具を輸入したことをきっかけに、長野県の諏訪湖において河久保子朗氏、田中稲美氏らが初めてアイスホッケーをしました。

2. 競技として

アイスホッケーのルールが定められたのは、1877年、カナダのモントリオールにあるマックギル大学の学生らが競技のルールを考案しました。
以後、アイスホッケーはカナダ各地で実施されるようになり、1887年にはオンタリオ州でアイスホッケーのリーグ戦も開催され、さらに1896年にはアメリカでも公式戦が開催され、1897年にはカナダ・モントリオールで現在のルールが制定されるなど、アイスホッケーは北米を代表するウィンタースポーツとしての地位を確立しました。
世界最高峰のプロアイスホッケーリーグNHLが1917年に発足、北米4大プロスポーツのひとつに数えられています。

3. プレイヤーの用具

用具には、プレイヤー用具とゴールキーパー用具とがあり、どちらも、専用のスティック、スケート、防具およびユニフォームがあります。用具着用に関しては、すべて国際競技規則にもとづくものでなければなりません。もしも、違反した用具を使用した場合、ペナルティが科せられます。これは、競技には、危険が伴うので、事故やけがの防止のため厳しく決められています。

4. 競技のルール

スティックを使ってゴールをより多く決めたチームが勝ちとなります。身体に当たって入っても得点となりますが、わざとパックを手で投げたり、足で蹴ると得点になりません。
アイスホッケーにおいては、ゴールの裏側もプレイ可能であり、他の競技にはない大きな特徴となっています。攻防の要衝となる非常に重要なエリアでもあります。
氷上で競技を行う選手は1チーム6人で、世界選手権など国際ルールは、22人がベンチ入りできます。また選手交代はいつでも何回でも可能で、野球やサッカーなどと違い、審判に知らせる必要もありません。互いに相手の動きを見ながら、通常1分程度で素早く選手交代することになります。
反則行為に対して細かなルールがあり、反則の度合いによって、さまざまなペナルティが科されます。反則を行った選手は、ペナルティボックスに入れられ一時的に退場になります。退場時間は反則によって、2分、4分、5分、10分とあります。ペナルティを取られたチームは、その間少ない人数で戦わなければなりません。その時、相手チームより多い人数で攻撃することを、パワープレイと呼びますが、パワープレイの時間が長いチームの方が優位となることから、できるだけ反則を少なくすることが、勝利への近道ともいわれています。

5. 日本代表

主な国際大会は、毎年行われる世界選手権と4年に一度のオリンピックです。
1998年長野オリンピックから女子アイスホッケーが正式種目になり、開催国の日本は男子・女子ともに出場しました。そして2014年、16年ぶりに女子日本代表チームがソチオリンピックに出場しました。スマイルジャパンという愛称で親しまれています。
現在、女子は世界ランク8位、男子は21位。カナダ、アメリカやヨーロッパの強豪国の中で、日本代表は2018年の平昌五輪をめざして進んでいます。

6. 観戦

アイスホッケーの迫力を生で感じてみたい!「氷上の格闘技」と呼ばれるほど、アイスホッケーはテレビで見るのと、生で見るのとでは、スピード感も迫力も全然違います。暖かい服装で、試合会場へ足を運んでみませんか。
アイスホッケーの醍醐味が充分味わえると思います。

協力:公益財団法人日本アイスホッケー連盟
住所:〒150-8050
東京都渋谷区神南一丁目1番1号
岸記念体育会館 5階
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