海洋深層水
最近、「海洋深層水」という言葉をよく聞くようになりました。酒類や清涼飲料水をはじめ、食品、化粧品などさまざまな商品が出ています。普通の水と何が違うのでしょうか。
1. 海洋深層水とは
海洋深層水とは、深海すなわち陸棚外縁部(おおむね水深200~300m)以深にある海水をいいます。
外洋においては、水深200mより深くなると太陽光線のほとんどが海水に吸収され、弱いブルーライトの世界になり、水深1,000mを越すと暗黒の世界といわれています。したがって、水深200m以深の海水中では植物プランクトンによる光合成は行われず、窒素やリン、ケイ酸などの無機栄養塩が豊富に含まれます。
2. 海洋深層水の特性
低温安定性
水温は表層水より低く、年間を通してほとんど変化しません。
富栄養性
海の生産力の基本である窒素やリン、ケイ酸などの無機栄養塩に富み、表層水と比較して数倍の濃度があります。
清浄性
陸水由来の大腸菌や一般細菌に汚染されていません。また、海洋性細菌も表層の海水に比べて非常に少ないうえ、陸水や大気からの化学物質による汚染にさらされる機会も少なく、この点でも清浄といえます。
熟成性
海洋深層水は高い水圧下で長い年月をかけて形成された海水ですので、性質が安定しています。
ミネラル特性
海水には必須微量元素やさまざまなミネラルがバランスよく含まれており、海洋深層水では特有の溶存状態にある元素も明らかにされつつあります。
3. 海洋深層水とミネラル
ミネラルとは、鉱物の無機物で健康維持に不可欠な微量元素を含んでいます。しかし、現代の食生活の中で、必須ミネラルをバランスよく摂取することは非常に難しいことです。海洋深層水にはこれらのミネラルが豊富に含まれており、効率よくミネラルを摂取する方法として注目を集めています。
カルシウム
歯や骨を作り、神経や筋肉の調整を行い、血液の凝固を助け、絶えず消費される成分です。
マグネシウム
身体の抵抗を強め、細胞の調整と血管拡張作用があります。
ナトリウム
体液に多く含まれるミネラル成分で、pHや浸透圧生体機能を調整します。
カリウム
細胞の機能を高め、筋肉の強壮と腸の働きを促進する作用があります。
協力
高知県教育委員会、
高知県海洋深層水研究所
高知県のホームページ
高知県海洋深層水研究所のホームページ