キウイフルーツ
キウイフルーツは、ニュージーランドのシンボルである鳥の「キーウィ」の姿に似ていることからその名が付いたのですが、ニュージーランド原産の果実であると思っている人が、意外と多いのでは。実は違うようです。今回は、日本でもおなじみになってきた栄養豊富な果物、キウイフルーツについての豆知識をお届けします。
1.意外と新しい果実
キウイフルーツは、マタタビ科の雌雄異株*1の落葉つる性植物の果実です。マタタビに近縁であることから、幼木や若葉は猫の害を受けることもあるそうです。
原産地は中国で、1904年に中国を訪れた女性旅行者によってキウイフルーツの種がニュージーランドに持ち込まれ、品種改良されて現在のキウイフルーツの原種が誕生しました。
栽培が開始された当初、この果物は、原産地の地名をとって、チャイニーズグースベリーと呼ばれていました。ニュージーランドからアメリカ合衆国へ輸出されるようになった際、1959年に販売促進を狙いニュージーランドのシンボルである鳥の「キーウィ」にちなんで「キウイフルーツ」の愛称を与えられたようです。
1950年代以降にニュージーランドから品種改良された果実と種苗が世界中に輸出され、栽培されるようになりました。したがって、果実の中では最も新しい品目のひとつで、ニュージーランドから日本に導入されたのも1970年代に入ってからです。日本では愛媛、福岡、和歌山、神奈川、静岡などで多く栽培されています。
- 雌花と雄花が別の株(個体)に生じること
2.代表的な品種
- ヘイワード
世界中で最も多く栽培されている品種です。甘味と酸味のバランスがよく、よい香りがします。果実は100g~130g。果肉はエメラルドグリーンで美しく、貯蔵性に優れています。 - ゼスプリゴールド
1987年にニュージーランドにおいて自然交配してできた品種です。黄肉種で先端がとがっており、ヘイワードに比べて酸が少なく、糖度が高いです。日本では、愛媛などでニュージーランドの会社と生産契約を結び、栽培されています。 - その他
香緑:
香川県でヘイワードが自然交配してできた緑の果肉の品種です。 レンボ―レッド:
果肉外側が緑で、種のある中央部が赤色、中心は白色です。静岡県を中心に栽培されています。
ゴールド系の新品種:
近年、果肉が黄色で糖度の高い新品種が国内でも育成されています。さぬきゴールド、静岡ゴールド、東京ゴールドなどです。
3.キウイフルーツの見分け方(選び方)
きれいな楕円形で、果皮にまんべんなくうぶ毛が付いているものが良品です(品種によってうぶ毛がないものもあります)。果皮の色は、濃すぎるものよりも明るい薄茶色のものがよく、軽く握ったときに柔らかさを感じれば食べごろです。果皮に傷があるものやへこみのあるものは味が落ちているので避けましょう。
主な出回り期は、国産ものが12月~翌年5月ころまで、それ以外は、ニュージーランドからの輸入もので、国産、輸入を合わせてほぼ年中出回っています。
4.保存方法
硬くて未熟なキウイフルーツはリンゴと一緒に袋に入れるなどして追熟*2させる必要があります。乾燥を防ぐためポリ袋に入れて(密封はしません)、20度前後の部屋に置いておきます。指で軽く押して弾力を感じれば食べごろです。
- 一定期間置くことで、甘さが増したり、果肉が柔らかくなる
5.バランスのよい食生活をめざし
果物には、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれており、果物を取り入れた栄養バランスのよい食生活が重要です。厚生労働省と農林水産省が定めた「食事バランスガイド」では、毎日200gの果物(キウイフルーツなら2個、リンゴなら1個、ミカンなら2個)の摂取を勧めています。
キウイフルーツの爽やかな風味は1日のスタートにぴったりです。ビタミンCが豊富で、食物繊維も多く含みます。ポリフェノール、カリウム、カルシウムも多く含んでいます。
忙しい朝、「あと何かもう一品」というときに、皮をむかずハーフカットでそのまま食べられる手軽さもキウイフルーツの魅力です。
協力:公益財団法人中央果実協会
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