ラクロス

ラクロス

大学のグラウンドなどで、走りながらそんなに大きくない網のついたスティック間で、“器用に”小さなボールをパスしている姿を見たことありませんか。ラクロスの練習をしている学生です。
「テレビなどで名前は聞いたことはあるけど、詳しいルールまでは分からない」という人もまだまだ多いはずです。そこで、ラクロスとはどんなスポーツかを紹介したいと思います。

1. ラクロスのはじまり

現在では、カナダの国技ともなり、北米では競技人口も多いスポーツです。ラクロスは、もともと北米の先住民たちが、自分たちの神とのつながりを深める儀式の一環として行ったり、部族間の争いを平和的に解決するため用いていたものといわれています。
そして1636年に、北米を訪れたフランスの宣教師が、この部族間で行われていた行事について本国に報告しています。その際、行事で使用されていたスティックがカトリック司教が持つつえ「la crosse」に似ていたことからラクロスという名前がついたといわれています。

2. どんな競技か

サッカーなどと同じようなサイズのフィールドで行うスポーツで、男子は10人対10人、女子は12人対12人で、お互いのゴールを奪い合うボールゲームです。
「クロス」と呼ばれる棒の先に網のついたスティックを使ってプレーし、直径約6cmのゴム製ボールを網に入れて走ったり、ボールを拾ったり、パスをしながら相手ゴールに迫り、シュートを入れると得点となり、その得点を競います。
選手には、アタック(AT)、ディフェンス(DF)、ミッドフィールダー(MF、ミディとも呼ばれる)など、ポジションごとに役割があり、ゴールを守る選手はゴーリー(G)と呼ばれます。
また、ラクロスの特徴は、アイスホッケーのようにゴールの後ろもゲームエリアとなっていることで、ゴール後ろからのセットプレーは多くのチャンスを生みます。

3. ルールや競技内容が男子と女子では大違い

(1)男子のラクロスは“格闘球技”

男子では、ヘルメット、ショルダー(肩および胸部の防具)、エルボーとグローブ(肘や手の防具)を用います。
アイスホッケーのようにクロスを用いて相手にプレッシャーをかけてもよく、ボールを保持している選手のグローブやクロスをたたくこと、さらにタックルすることが可能なことから、飛び交うボールのスピードと相まって男子のラクロスの醍醐味となっています。
トッププレーヤーのシュートは、時速160kmを超えるスピードで相手のゴールを襲ったりします。そのことから「地上最速の格闘球技」とも呼ばれます。

(2)女子は、華麗でハードなフィールド球技

女子のラクロスのユニフォームは、以前はスカートとポロシャツが主流でした。現在は、シャツ、巻きスカートですが、いずれにしてもファッショナブルなユニフォームです。ヘルメットなどの防具は、ゴーリー以外着用しませんが、ゴーリー以外のプレーヤーは全員マウスピースとアイガードの着用が義務付けられるなど、ユニフォームとは裏腹にスピーディでエキサイティングなゲームとなります。男子と違い体への接触はファウルとなりますが、相手のクロスに自分のクロスをあて、パスやシュートを阻止する攻撃は許されています。

4. 日本ではカレッジスポーツから発展

日本でのラクロスは男女とも大学生を中心に急速に広まりました。平成26年現在、北海道から沖縄まで男子124大学、女子190大学にチームが存在するまでに成長し、競技人口は、男子が約7,000人、女子が約9,000人と、女子の方が競技人口が多いスポーツなのです(日本ラクロス協会会員数)。
世界では、北米・ヨーロッパを中心に約80万人の愛好者がおり、約52か国・地域がラクロスの国際連盟に加盟しています(平成26年現在)。
現在、4年に一度、男女それぞれワールドカップが開催されています。

協力:日本ラクロス協会
住所:〒103-0006
東京都中央区日本橋富沢町4-9
HP:https://www.lacrosse.gr.jp/