メロン
このコーナーでは、私たちの身近な食べ物や飲み物についての豆知識をお届けします。
昨今、高価な果物がメディアなどでいろいろと紹介されますが、高級果物としてまず思い浮かぶのはメロンではないでしょうか。メロンも数多くの品種が開発されており、より身近なものも多く出回っています。今回はメロンについて取り上げます。
1.メロン栽培の歴史
メロンの原産地はアフリカやインドなど諸説あり、はっきり分かっていません。メロン栽培の歴史は古く、古代エジプトですでに栽培が行われていたといわれています。日本でも、弥生時代の遺跡からマクワウリなどの東洋系メロンの種が発見されており、そのころから栽培が行われていたと考えられています。西洋系メロンは明治時代に温室で栽培され始めましたが、高級品であり一般的なものではありませんでした。昭和37年のプリンスメロンの登場により、広く食べられるようになりました。
2.メロンの種類
メロンには多くの種類がありますが、日本で古くから栽培されてきたマクワウリなどの東洋系と、ヨーロッパで改良されてきた西洋系に分けられます。現在出回っているメロンはほとんど西洋系で、栽培方法により温室栽培と露地栽培に分けられます。表面に網目のあるネット型と網目のないノーネット型があり、果肉の色も緑肉や赤肉などいろいろなものがあります(表)。
種類名 | 外観・果肉 | |||
---|---|---|---|---|
東洋系 | マクワウリ | ネットなし・白肉など | ||
西洋系 | 温室栽培 | アールス(マスクメロン) | ネットあり・緑肉 | |
露地栽培 | ハウス栽培 | アンデス | ネットあり・緑肉 | |
アムス | ネットあり・緑肉 | |||
クインシー | ネットあり・赤肉 | |||
夕張 | ネットあり・赤肉 | |||
トンネル栽培 | プリンス | ネットなし・緑肉 | ||
ホームラン | ネットなし・白肉 | |||
きんしょう | ネットなし・白肉 |
3.メロンの栄養
メロンには、体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出する働きがあるカリウム、コレステロール値を抑える働きのある食物繊維のペクチンが豊富に含まれています。血圧を下げる作用があることが知られているγ(ガンマ)-アミノ酪酸(ギャバ)も含まれており、高血圧の予防によい果物といえます。
赤肉系のメロンにはβ(ベータ)-カロテンが豊富に含まれています。β-カロテンは体内でビタミンAに変わります。β-カロテンは有害な活性酸素から体を守る、抗酸化作用があることが知られています。
ただし、メロンは糖分も多いので食べ過ぎには注意しましょう。
4.おいしいメロンの選び方、保存方法
選ぶ目安は、形が整っていてずっしりと重いもの、ネット型は網目が細かく全体的にまんべんなく出ているものがよいようです。
食べごろの目安は、「下の部分が柔らかくなってから」「香りが強くなってから」などいろいろといわれますが、種類により外見では判断できないものもあるので、お店に聞くのが一番よいようです。
メロンは追熟することで香りや甘みが増すので、冷蔵庫ではなく常温で保存しましょう。また冷やし過ぎると味が落ちるので、食べる1~2時間前に冷蔵庫に入れるとよいでしょう。
協力 : 独立行政法人 農畜産業振興機構
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