パラグライダー
空を飛ぶスカイスポーツの中で一番シンプルかつ、比較的上達が早く飛べるようになるのは、パラグライダーです。パラグライダーをマスターすると、風を上手に利用して、何百キロも遠くへ、何千メートルも高く飛ぶことができます。今回は、今やヨーロッパ、アジアをはじめ世界中で楽しまれているパラグライダーをご紹介します。
1. パラグライダーで飛ぶことの面白さ
空を飛ぶには、飛行機やヘリコプター、熱気球などいろいろありますが、その中で唯一自分の力で自分自身が空中に浮くことができるのが、パラグライダーです。
もともとは、ヨーロッパのアルピニストたちが登山後の下降手段としてパラシュートで降下するようになったことが始まりです。
ひとたび空中に飛び出してみると、自分の足の下に広がる空間。自分自身が大自然の中でのびのびと浮いている不思議な感覚。よく、夢で見るようなふわふわと空中を飛んでいる感覚と、鳥のようにまさに滑空していく感覚が得られます。
4月、若葉の萌える緑と山桜の上を飛ぶ。8月、濃い緑の中夏の日差しを浴びて飛ぶ。10月、赤や黄色の紅葉の上を澄んだ秋の空気を吸って飛ぶ。1月、ピンと張り詰めた冷たい空気の中、真っ白な山の上を飛ぶ。四季折々、一度たりとも同じ条件はありません。
ストレスの多い現代、シンプルなパラグライダーでのんびりと遊んでみませんか。
2. 誰にでもできるシンプルなスポーツ
老若男女、体重のものすごくある人でも軽い人でも、パラグライダーを楽しむにはやる気があれば十分です。最近では定年を機にパラグライダーを始める人も多くいます。
基本的な生活に支障がない程度の体であれば、また走ったりすることができれば、誰でも楽しむことができます。また、スカイスポーツをするのに特別な運動能力は必要ありません。手助けがあれば車椅子を使用している人も楽しむことができます。ですから、パラグライダースクールに集まってくるのは、実にさまざまな人たちです。
自分の仕事や年齢の枠を超えて、純粋にパラグライダーを楽しみたい人たちの集まりです。
3. 飛ぶことのリスク
「飛ぶ」からには「落ちる」可能性がまったくないとはいい切れません。それはどんなスポーツでも同じです。大切なことは、自分自身の技術レベルを正しく把握し、無理をしないことです。
段階を踏んで無理せず楽しくレベルアップできるカリキュラムを取り入れているスクールは、「技術」「知識」を伝達し、かつ「フライト環境の整備」「フライト条件の確認」を行い、パイロットの安全を常に守る努力をしています。
自然の中で行うパラグライダーというスポーツの特性をよく理解し、自然を敬い、仲間との協調、社会的責任を果たすことでパイロット自身の安全を守り、危険を回避できます。 実際、事故やけがをするのは統計や事故例からみて、自分の技術を過信していたり、正しい知識がないパイロット、インストラクターのアドバイスを無視したパイロットに多いのが事実です。
4. 必要な装備
パラグライダーで飛ぶための装備は、キャノピーという翼と、キャノピーを体に繋ぐハーネスの二つが基本になります。それに頭を守るヘルメットや、手袋、靴、フライトスーツなど。
装備を担ぐとおよそ20kg近くになりますが、最近ではかなり軽量なものも出てきているので、約10kgに抑えることも可能でしょう。
5. 費用は工夫次第(入校と装備の購入)
パラグライダーに興味を持ったら、まずお薦めなのは体験コースです。スクールによって半日や一日で、なだらかな丘を使って実際に自分一人で浮遊体験のできる「体験フライトコース」と、ベテランのインストラクターと2人で山から飛ぶ「タンデムコース」、体験とタンデムをセットにした「チャレンジタンデムコース」などがあります。
パラグライダーにチャレンジしてみて、将来自分一人で飛べるようになりたいと思ったら、スクールのコースに入校しましょう。
パラグライダーをスクールで購入すれば、安全なグライダーをスクールインストラクターが技能に合わせてセレクトしてくれます。ネットで安い中古グライダーを販売していたりしますが、パラグライダーの知識がないまま安いからといって購入しても使用できないものが多いのが実情ですので注意しましょう。
また、スクールによっては、持ち込みのグライダーは、受け入れない場合があるので、事前にスクールのインストラクターに相談することをお勧めします。
協力:NPO法人日本パラグライダー協会
住所:〒315-0164
茨城県石岡市小屋2496-2
HP:http://jpa-pg.jp/index.html