ペタンク
「ペタンク」ってご存じですか。目標球に、金属製のボールを投げ合って、相手より近づけることで得点を競うというゲームです。発祥国のフランスでは500万人以上がプレーを楽しんでおり、サッカーに次いで盛んなスポーツです。世界各国でも愛好者が増え、ワールドゲームスで実施されている国際的なスポーツです。今回は「ペタンク」について紹介します。
1.起源
上記の文を読み、リオデジャネイロで開催されたパラリンピックで銀メダルを獲得した「ボッチャ」に似ていると思いませんか。ボッチャはイタリア発祥で、イタリア語でボールのことをいいます。
有史以前の人々は、石などの物を投げ、自己防衛や食料を確保するなど、生きるためには物を正確に投げる術を覚えなければなりませんでした。その後人間は石を磨くことを知り、握ったり転がしたりしやすくするために石を丸くするようになりました。ボール競技に必要な「投げる」「転がす」という基本的な動作を覚えたのです。そして、球形の石を転がして標的に近づけ、相手の近い球をぶつけて弾き飛ばすというゲームが発明されました。ボール競技の原型ができたのは、紀元前10世紀ごろと推定されています。ボール競技は何世紀にもわたって人々の間で親しまれてきて、いろいろなボール競技へ発展していきました。
2. 用具
- ペタンクボール
投げ合う金属製のボールです。大きさは直径70.5mm~80mm、重量650g~800gです。試合形式により必要数が異なります。3人対3人(トリプルス)では各自2個、2人対2人(ダブルス)では各自3個、1人対1人(シングルス)では各自3個になります。 - ビュット
ペタンクボールを投げるときの目標球です。大きさは直径3cmで、木製または樹脂製です。 - メジャー
味方と相手ボールの遠近を測定するときに使用します。目盛りで計測するものや、棒状のもの、折りたたみ式、ノギス式など、さまざまな計測器具があります。
3.ゲームの仕方
- ジャンケンやトスで先攻チームを決め、その中の選手が地面に直径35~50cmのサークルを描きます。次に先攻チームの選手が方向を決めてサークルの中からビュットを投げます。距離は6m以上10m以下であり、この範囲内にビュットが止まったときがゲームの開始になります。
- 先攻チームの選手はビュットの近くに止まるように第1球目を投げます。
- 次に後攻チームの選手も第1球目を投げます。
- ビュットから見て近いボールのチームが勝っているので、ここからは負けている遠い方のチームが次の投球をします。そのチームは味方のボールがビュットに一番近くなるまで投球をし続けなければなりません。
- 片方のチームの持ちボールがなくなったら、もう一方のチームも持ちボールをすべて投げます。
- 両チームがすべて投げ終わったときが1メーヌ(1セット)の終了となります。得点の計算は次のとおりに計算します。
- 得点を得るチーム:ビュットに一番近いボールのチームとなります。
- 得点の数え方:負けてるチームのビュットに一番近いボールよりも勝っているチームの近いボールの数が得点となります。
- 勝ったチームはメーヌの終了時のビュットの位置を中心にサークルを描き、そこからビュットを投げて次のメーヌを始めます。このようにメーヌを繰り返し、お互いの得点を加算していき、13点先取したチームが勝ちとなります。
以上は、近くの公園で、レジャーとして楽しむ場合の基本的なルールです。最近のペタンクは、競技性が高まり、全国大会や国際大会も盛んに行われるようになってきたため、連続した何面ものコートを使い多くの試合を効率的に消化する必要があり、ルールもそれに対応したものが導入されています。しかも、時間制限制の大会も増え、ルールはいっそう細かく複雑化しています。
4. 親しまれる理由
ペタンクが親しまれる理由は、どこでもほんの少しのスペースで気軽にプレーできるところにあります。また、ルールが複雑でなく、使用する用具も少なく、子どもから高齢者までプレーすることができます。ゲームには奥深さと意外性があり、思いどおりの投球ができたり作戦が的中したときには、この上ない爽快感があります。
ペタンクは、技術を高め勝利をめざす競技スポーツとしての楽しみ方、あるいは出会いや交流の機会を求めたり、ゲームの面白さを味わう生涯スポーツとしての楽しみ方など体力や技術力によっていろいろな楽しみ方ができるのも魅力です。
協力:公益社団法人日本ペタンク・ブール連盟
住所:〒113-0033
東京都文京区本郷2-4-1 倉田ビル102号
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