プロテイン
プロテインとは、タンパク質のこと。ただ、一般にはプロテインというとタンパク質を主成分としたプロテインサプリメントのことを指す場合が多いようです。プロテインサプリメントはアスリートやボディビルダーが飲むものというイメージがあるかもしれませんが、実は高齢者にも大きなメリットがあるといわれています。また、一口にプロテインといっても、いろいろな種類に分けられ、それぞれ特徴があります。今回はプロテインについての豆知識を紹介します。
1. プロテインと筋肉増強剤の違い
フラッグフットボールは、アメリカンフットボールが起源になって生まれたスポーツで、「タックル」の代わりにプレイヤーの腰の左右につけた「フラッグ」を取ることからその名前がつけられました。アメリカンフットボールの戦略性をそのままに、少人数/小スペースで安全に楽しむことができるように開発されたスポーツです。
2. 高齢者とプロテイン
高齢者は若い頃と比べて、必要なカロリー量が減少するため、それに伴い食べる絶対量が減る傾向にあります。しかし、タンパク質の必要量はカロリー数ほど減少しません。そのため、食べる量を減らすことで摂取カロリーが減少したり、消化器の機能が低下して肉類などの食品が食べづらくなると、タンパク質摂取量が不足しがちになります。
高齢者にとって筋肉の維持は重要な健康管理です。高齢者の筋肉の衰えは、運動の不足だけではなく、タンパク質の不足もその一因とされています。高齢者はどうしてもタンパク質摂取が不足しがちになりますので、それを補う意味でのプロテインを取ることは意味があります。
ただし、タンパク質を過剰に摂取すると腎臓に負担がかかりますので、慢性腎臓病(CKD)など腎臓に問題のある人は必ず医師や薬剤師等にお尋ねください。
3. プロテインの種類
プロテインは原材料によって分けられます。主なものは牛乳を材料とするホエイプロテインとカゼインプロテイン、大豆を原料とするソイプロテインです。その他エッグプロテイン(鶏卵)、ビーフプロテイン(牛肉)、ピープロテイン(エンドウ豆)、ライスプロテイン(玄米)などいろいろあります。
ホエイプロテイン
ホエイプロテインは牛乳から作られるホエイタンパク(乳清)を使用します。ヨーグルトの上澄みにできる液体がホエイ(乳清)です。摂取後の消化吸収が早いので胃腸にもたれにくく、筋肉修復効果も高いといわれています。
ホエイプロテインは製法によって主に3種類に分けられます。
- WPC製法(濃縮乳清タンパク質)。最も一般的な製法です。牛乳のビタミンやミネラルが多く含まれますが、乳糖も多く含まれているため、牛乳でお腹を下しやすい乳糖不耐症の人は、消化不良を起こすことがあります。ホエイプロテインの中では一番安価ですが、タンパク質の含有率は70~80%程度です。
- WPI製法(分離乳清タンパク質)。タンパク質以外の成分をほとんど取り除いて作られるため、タンパク質の含有率が約90%で、乳糖もほとんど除去されるため、乳糖不耐症の人でも比較的飲みやすくなります。価格はWPCより高めです。
- WPH製法(加水分解乳清タンパク質)。ホエイプロテインの中で一番精製されているため、タンパク質の含有率は約95%で、乳糖も少ないです。また加水分解されているため吸収速度が他のホエイプロテインよりも早いです。ただし、価格は高めのものが多いです。
カゼインプロテイン
カゼインプロテインはホエイプロテインと同じく牛乳から作られます。一般に乳固形分と呼ばれる成分の主要成分の一つです。牛乳に含まれるタンパク質のうち約80%はこのカゼインプロテインが占めています。
ホエイプロテインが水溶性で吸収が早いのに対し、カゼインプロテインは水溶性が低いこともあって、吸収速度がゆっくりです。そのため、運動の直前や直後などのタンパク質補給の場合の効率は低いといえます。ただし、ゆっくり吸収されることで長い時間体にタンパク質を補給してくれるので、満腹感も得やすく、食事の合間や運動しない日の栄養補給や、就寝前に飲むのに適しています。カゼインだけのプロテインサプリメントは多くなく、よくあるのは、カゼインとホエイを混ぜたものです。
ソイプロテイン
ソイプロテインは大豆のタンパク質部分だけを粉末にしたものです。カゼインプロテインと同じく消化吸収速度がゆっくりなため、満腹感が持続しやすいですが、溶かした時に粉っぽく、他のプロテインと比べて飲みにくいと評価する人もいます。価格は比較的安いです。
このように吸収速度や体に与える影響などが種類によって異なります。また、人間の体はタンパク質だけを摂取してもうまく吸収できず、筋肉を合成するためにはビタミンやミネラルが必要です。従ってまず適度な運動とバランスの取れた食事を考えながら、自分の目的に合わせたプロテインを摂取してみてはいかがでしょうか。
協力:一般社団法人 日本食品安全協会
三重県鈴鹿市岸岡町1001番地1
鈴鹿医療科学大学内
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