お米

お米

「お米」は、私たちの食生活の柱として食卓に欠かせない食材です。ブランド米といったものも生まれ、さまざまな品種が私たちの食生活を潤しています。その「お米」の健康面を交えた豆知識を紹介します。

おにぎりとおむすびの違い

中身は一緒で呼び方が違うだけですが、歴史が古いのはおにぎりのほうです。おにぎりという言葉は“にぎりめし”が原型です。平安時代においては、貴族の間では「屯食(とんじき)」と呼び、貴族の宴会があったときに屋敷で働く人々に振る舞われました。『源氏物語』の「桐壺の巻」にも、その言葉と様子が書かれています。これがいつの間にかおにぎりと言い換えられたものです。おむすびは江戸時代に身分の高い女性や大奥などで、女性の丁寧で優しい言葉、女房言葉としておにぎりを言い換えたのが始まりとされています。

すしの種類

すしは「酸し」、つまり、すっぱいものという意味からきた言葉で、「鮨」、「鮓」などの漢字が用いられています。「鮨」や「鮓」は魚の貯蔵加工を意味する言葉で、「すし」が魚の保存方法から生まれたことを物語ります。
すしのルーツは、東南アジアの「なれずし」といわれており、魚を長期保存するために、塩押ししてから塩味をつけたごはんの中に何ヵ月も漬け込み、発酵して酸っぱくなった魚だけを食べました。
その後、江戸時代中ごろになると初めからごはんを酢と塩で味付けして、魚などをのせて一晩重しをし、味をなじませてから食べるようになりました(早ずし)。江戸時代後期になるとおいしいすしを早く食べたいということで、酢めしを手で握り、具をのせ、にぎりたてを食べるようになりました。今とは違い、上にのせる具は、煮物や酢の物でした。

玄米と精白米

お米といえば、秋の田園地帯に広がる黄金色に輝く稲穂を思い浮かべる人も多いかと思います。この稲穂から外したものはもみと呼ばれ、これを乾燥させ硬いもみ殻を取り除いたものが玄米です。これをさらに精米し、ぬか層などを取り除いていくと、玄米→三分づき米→五分づき米→七分づき米→(胚芽精米)→白米となっていきます。(胚芽精米は専用の精米機を用いて精米します。) 玄米と精白米には次の表のように栄養素に差があります。

ご飯にした場合の違い(100gあたり)
種類 エネルギー量 たんぱく質 ビタミンB1 ビタミンE 食物繊維
玄米 165kcal 2.8g 0.16mg 0.5mg 1.4g
胚芽精米 167kcal 2.7g 0.08mg 0.4mg 0.8g
精白米 168kcal 2.5g 0.02mg 微量 0.3g

「五訂日本食品標準成分表」より


玄米は精白米より味・消化はよくありませんが、ビタミンB1、ビタミンE、食物繊維などは精白米よりは多く含んでいます。

協力 : 社団法人米穀安定供給確保支援機構 情報部