しいたけ

しいたけ

「しいたけ」は、日本で食用とされるキノコの中でも代表的な存在です。よく食べられるキノコとあってか、同じ「しいたけ」でも収穫時期や形状などによってさまざまな呼び名があります。そんな「しいたけ」に関する豆知識をご紹介します。

1. しいたけの栽培

日本でしいたけが栽培されるようになったのは、江戸時代からのようです。現在、しいたけ栽培には、原木栽培とおがくずなど固めたものを使う菌床栽培があります。原木栽培に適する木は、クヌギやコナラなどです。しいたけの種菌を接種した木(ほだ木)を、風通しがよく、直射日光があたらない木陰などで2年間伏せ込みます。その後、柵に立てかけるように並べてしいたけの発生を待ちます。一方、菌床栽培は、100日から120日程度と原木栽培に比べて栽培期間が短いのが特徴です。なお、国産の乾(ほし)しいたけのほとんどは、原木栽培によるものです。

2. しいたけのさまざまな呼び名

しいたけには、収穫する時期による呼び名があります。

  • はるこ(春子) 2月から4月ころ、香りがよい
  • ふじこ(藤子) 藤の花が咲くころ
  • あきこ(秋子) 10月から12月ごろ
  • かんこ(寒子) 12月から1月の厳寒期

また、乾しいたけでは、傘の開き具合による呼び名があります。

  • どんこ(冬菇) 傘が5~6分開きのときに採取したしいたけ。
  • こうこ(香菇) どんこより傘が大きくなった状態で採取したしいたけ。
  • こうしん(香信) 傘が9分開きのときに採取したしいたけ。傘が薄いのが特徴。

3. 乾しいたけの香りとうま味

乾しいたけは、生しいたけに比べて香りやうま味が増します。乾しいたけは、生しいたけを乾燥機にいれ、十数時間かけて生しいたけに含まれている8割くらいの水分を1割くらいにまで減らしてつくられます。この過程で乾しいたけ特有の香りが生まれます。
また、乾しいたけのうま味成分はグアニル酸によるものです。このグアニル酸は、かつお節(イノシン酸)、昆布(グルタミン酸)とともに、日本料理に欠かせないうま味成分です。なお、乾しいたけの水戻しの際には、グアニル酸の残存量が多くなる室温以下の低温で行うとよいようです(冷蔵庫で5時間程度)。どうしても早く戻したいときは、ぬるま湯につけてラップし、電子レンジに入れて2分程度で戻ります。

協力 : 大分県椎茸振興協議会
ホームページ : http://www.pref.oita.jp/site/shitake/