焼酎

焼酎

お酒を飲む人にとってすっかり身近になりました焼酎について取り上げます。

1. 分類

酒税法では、焼酎の製造方法により以下の2種類に分けられます。

甲類焼酎
(連続式蒸留焼酎)
アルコール度数が36度未満のものです。糖蜜等を原料とした発酵液をもとに連続式蒸留器で蒸留したものです。何度も蒸留を行うため、アルコール純度が高くなり、原料本来の風味が失われ香味の個性は薄くなります。
乙類焼酎
(単式蒸留焼酎)
アルコール度数45度以下で単式蒸留器で蒸留したものです。穀類またはいも類とこれらの麹(こうじ)および水を原料として発酵させたものです。また、黒麹(こうじ)だけを原料とした沖縄特産の焼酎を「泡盛」といいます。

2. 歴史

13~14世紀ころに、中国大陸や南海諸島で製造されていたようです。わが国への伝来については次の三つの経路があると考えられています。

  • 琉球経路:14世紀ころの琉球はわが国をはじめ、明、朝鮮、南海諸国などとの海上貿易の拠点となっており、そこから伝えられたと考えられています。
  • 南海諸国経路:14~15世紀ころの倭寇と称する海賊が海上取引のひとつとしてわが国に運んだと考えられています。
  • 朝鮮半島経路:15世紀にわが国は琉球、南海諸国のほかに朝鮮、西洋とも交易を行っており交流物のひとつに高麗酒(朝鮮産の焼酎)が運ばれてきたと考えられています。

3. 気になる健康とのかかわり

焼酎は蒸留する工程で糖分と分離され、糖分が含まれていません。糖分がゼロということは、日本酒やビールなどのお酒と比べるとカロリーは低いということになります。
また、プリン体が含まれないのも特徴です。プリン体は食物全般に含まれている核酸の一種で最終的には尿酸として排出されます。ただし、摂取しすぎると、尿酸量が増え体内に蓄積されます。尿酸の蓄積は痛風の原因になるとされています。
焼酎に限りませんが、お酒を飲むことは「ウロキナーゼ」と呼ばれる酵素を増やす効果があります。ウロキナーゼは、血栓を溶かす作用があるので、心筋梗塞や脳梗塞の予防に役立つといえます。乙類焼酎はウロキナーゼを増やす効果がとても大きいようです。焼酎を飲まない人も、においを嗅ぐだけでも効果があるともいわれています。

4. 適量について

適量の決め手はアルコールの血中濃度です。6段階に分類されていますが、その中でさわやかな気分になる「爽快期(0.02%~0.04%)」から陽気になる「ほろ酔い期(0.05%~0.10%)」までに抑えるとよいでしょう。人それぞれですが、25度の焼酎であれば80ml、日本酒なら180ml(1合)、ビールなら500ml(中ビン1本)が目安でしょうか。
焼酎を飲むならば、からだに負担がかからないように、80mlをお湯か、水で割ればさらによいでしょう。
百薬の長であるお酒と上手につき合いたいものですね。

協力:日本酒造組合中央会
ホームページ : https://www.japansake.or.jp/