スラックライン

スラックライン

綱渡りというと、高い位置に張った細い綱の上を、バランスを取りながら曲芸をしたりといったサーカスや、ビルとビルの間に綱を張り命知らずの挑戦者が渡ったりなど、私たちには縁遠いことのようでした。それを身近にしたのが、進化した綱渡りといわれるスラックラインです。子どもから大人まで楽しめ、バランス感覚や集中力を鍛える効果が高いため、アスリートがトレーニングに取り入れたりするなど、幅広く活用されているスラックラインをご紹介します。

1. スラックラインとは

スラックラインは、二点間に張り渡したウェビングと呼ばれる2.5cm~5cm幅の帯状テープ(ライン)の上で、歩いたり、飛んだり、跳ねたり、はたまた回転したりと自由にパフォーマンスをする新感覚のスポーツです。専用のラインと張り渡す場所さえあれば、どこでも誰でも気軽に楽しむことができます。
歩くだけではなくラインの上でポーズをとったりアクロバティックにジャンプしたりと、やればやるほど夢中になる要素がいっぱいです。実際にやってみると歩くだけでも難しく、できたときの達成感も味わえます。
基本的にはひざの高さにラインを設置して、綱渡りのようにその上を歩いたり、ジャンプをして楽しみます。低い位置なので、誰にでも安全に行えるスポーツです。現在は競技としても進化し、ライン上で宙返りを行うなど技を楽しむトリックライン、長い距離を渡るロングライン、高所を渡るハイラインなど楽しみ方も細分化しています。

2. ヨーロッパから人気に

スラックラインは2007年にドイツ・シュツットガルトにおいて5cm幅のラインを簡単に設置するための器具が開発され、街中で遊べるようにしたことで、ヨーロッパを中心に一気に爆発的に広がりました。すぐにその波はアメリカ、アジアにも及び、世界中で スラックラインを楽しめるようになっています。
日本には2009年ごろに輸入されると2010年から日本オープンスラックライン選手権大会が開催され、2019年には第10回を迎える国際大会になりました。

3. 道具、靴

必要な道具は、専用のテープ状のライン(スラックライン)と、設置元の樹木やラインを保護する養生用のツリーウェア、ラインが切れた際の安全対策用の補助ライン(バックアップライン)の3点です。
ラインは、幅5cmで「ラチェット」と呼ばれるテンショニング機器を採用したものが主流です。養生用のツリープロテクターは、スラックライン用のものが市販されています。
スラックラインに向いている靴は、ソールで決まります。ソールが凸凹だったりギザギザしたトレッキングシューズなどは不向きです。ソールがラインに引っ掛かって外れなくなると、転んでしまうことがあるので注意しましょう。運動靴かスケボー用シューズのようにフラットソールと呼ばれるタイプがお勧めです。ソールの凸凹が深くない動きやすい靴であれば、普段履いている靴でも問題ありません。地面が芝生なら裸足でトライするのもいいでしょう。

4. スラックラインの設置について

スラックラインの設置方法はさまざまです。
公園で木にラインを張ったり、体育館の支柱を利用したりしますが、必ず許可を得て設置しましょう。
スラックラインは、室内でも楽しむことができます。スラックラックは土台とラインがセットになっていますので天候に左右されることなく練習ができます。

5. スラックラインの基本動作

  1. 昇降:ライン上に昇り降りする動作です。この動作を繰り返し行うことでラインに慣れていきます。
  2. 片足立ち:片足でバランスをとるポーズです。左右とも同じようにしっかりバランスが取れるように練習しましょう。
  3. 前進:重心をしっかり前に移してから、後ろ足を出しましょう。
  4. 後進:見えない後ろのラインを、しっかりイメージしながら行いましょう。
  5. エクスポージャー:ラインに対して横向きでバランスをとるポーズです。

6. 体力向上へ導入の学校も

バランス感覚や体の制御力を養えるスラックラインに注目し、取り入れている学校も出てきています。近年、転ぶ際にとっさに手を付けず、顔をけがする子どもが増えているので、スラックラインによって体の使い方がうまくなると期待されています。

7. スナックラインをやってみたい

道具を揃える前に、まずは体験してみたい場合には、スポーツジムやアミューズメント施設、各地で開催される体験会があります。
まずは、そちらからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

協力:一般社団法人日本スラックライン連盟
住所:〒104-0033
東京都中央区新川2-5-9-2F
HP:http://jsfed.jp/