そば

そば

夏は冷やして、冬は温めて、一年中楽しめるそば。具材や調理法もさまざまにアレンジしやすい手軽な料理です。夏はそばの初物「夏そば」を食べられる季節。そばはヘルシーな健康食として日本人に好まれていますが、 今では海外の人気も高くなっています。日本が誇る和食の一つとして、世界中で愛されているそばの健康効果をはじめ、そばの魅力について紹介します。

1. そばの歴史

そばの起源には諸説あり、定かにはなっていませんが、麺の形状「そば切り」として一般的に広まったのは江戸時代の安永の頃 (1772年~1781年) とされています。元々汁につけて食べるのが 一般的でしたが、 汁をかける「ぶっかけ」が広まり、そばに汁をかけるのが「かけそば」、汁につけるのが「もりそば」と呼ばれるようになりました。また、江戸中期に竹ざるに盛って「ざる」と売り出したのをきっかけに 「ざるそば」が誕生しました。
大みそかにそばを食べる「年越そば」は、江戸中期頃に毎月末にそばを食べる風習が商家を中心に広がり、それが大みそかに食べる風習につながったという説があります。 そばは細く長く伸びることから運や身代、寿命が長く伸びるようにとゲン担ぎもあり、日本中に広まっていきました。

2. そばの種類

そばにも、色や味、香りなどに違いがあり、その種類はさまざまです。

  • 更科そば
    そばの実の胚乳部分を挽いた、白い粉 (更科粉または一番粉) が使われる。ほのかな香りと甘味を感じる、のど越しが良いそばです。
  • いなかそば
    一番粉以降の、甘皮ごと挽き込んだ全層粉が使われる。一般的に色が黒く、そば本来の香りが強く感じられます。
  • 十割そば
    打ち」といわれ、つなぎを一切使わないそば。香り、風味が魅力の種類です。
  • 二八そば
    小麦粉とそば粉を2:8の割合で打ったそば。コシと風味のバ ランスが良いそばです。
  • 変わりそば
    更科粉にゆずやしそ、菊などさまざまな素材を練り込み、季節を感じられます。
  • 茶そば
    そば粉に抹茶を練り込み、お茶の風味と色が楽しめるのが特 徴です。
  • 寒ざらしそば
    真冬の冷たい清流に浸し、寒風で乾燥させたそばの実を使ったもの。アクが少なく、甘みがあります。
  • だったんそば
    ダッタンソバ (ダッタン種)は別名、「苦そば」とも呼ばれます。 ポリフェノールの一種であるルチンが豊富に含まれるのが特徴です。

3. そばは体に嬉しい健康食

そばには健康維持のための栄養がたっぷり詰まっています。特にそばにだけ含まれるといわれているのが「ルチン」。ルチンはポリフェノールの一種で、毛細血管を強く丈夫にする働きがあるといわれています。 血管を健康に保ち、生活習慣病の予防に役立つ成分です。また、小麦の2~3倍も含まれているビタミンB1とB2は、 夏バテ防止に。さらに良質なたんぱく質などが、バランス良く含まれており、 そばは健康維持に役立てられる食べ物なのです。
そば屋に行くと、そば湯を出してくれることがあります。そば湯は、そばをゆでた後のゆで汁で、そばの栄養が溶け出しています。 そばと一緒にそば湯を飲むことで、さらに栄養を取り入れることができるので、ぜひ飲んでみましょう。

4. 日本のそばは海外の観光客にも人気

そばをはじめ、日本の麺類は海外からの観光客にも人気の日本食です。特にそばは、十割そばなら小麦を使わないため、グルテンフリー食としても食べられます。
そばは海外でも'Soba'と表記される世界共通語です。海外の方へそばを紹介するときに便利なのものも登場しています。5か国語音声ガイダンス (https://www.nichimen.or.jp/5guidance/) では、日本語・英語・韓国語・中国語(簡体字・繁体字)に対応。 日本の麺文化やそば屋の楽しみ方、 薬味などそばだけに限らず、日本の麺の魅力を紹介しています。日本人でも麺の魅力について新しい発見ができるかもしれません。海外からの留学生や友人、観光客へのおもてなしとして、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

協力: 一般社団法人 日本麺類業団体連合会/全国麺類生活衛生同業組合連合会
住所: 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-4
HP:  https://www.nichimen.or.jp/