もやし

もやし

もやしには、「モヤシっ子」という言葉もあるように、ひょろひょろしていて弱々しいイメージを持つ人も多いかもしれません。実際は栄養も豊富で頼りになる食材といえるようです。
身近だけれども意外と知らないもやしのことを取り上げます。

1.もやしの語源

もやしとは固有の植物の名称ではなく、豆類などの種子を暗所で保温・保湿して発芽させ、育てたものの総称です。
もやしを漢字で書くと「萌やし」となり、「芽が出るようにする、芽を出させる」という意味の「萌やす」という言葉に由来します。言葉どおり、発芽させたものという意味です。

2.もやしの種類

一般的なもやしは、大豆、緑豆、ブラックマッぺを発芽させたものです(表1)。

表1(主なもやしの種類)
  大豆 緑豆 ブラックマッぺ
種子の主産地 米国、中国、カナダ 中国、東南アジア ミャンマー、タイ
特徴 たんぱく質が豊富で、もやしの中で一番の含有率を誇る。多少豆の部分が硬いので、火をとおす料理におすすめ。 ほかのもやしに比べると、コクとみずみずしさがあり、調理の応用範囲が広い。 味自体は緑豆と似ているが少々硬い。ほのかな甘みがあるのが特徴。
おもな調理法 炒めもの、スープ、ナムル、ビビンバ サラダ、あえもの、炒めもの、ラーメン 炒めもの、ラーメン

緑豆やブラックマッぺのもやしが多く出回り、現在では、生産高の9割以上を占めています。これは、比較的安価で生産しやすく、さまざまな料理に合うからといわれています。
種子のほとんどは外国産ですが、もやしそのものは国内で育成生産されています。

3.もやしの栄養

もやしは90%が水分で、豆から発芽してもやしになるとエネルギーが減り、一方で新たに「カリウム」「ビタミンA・C」「アスパラギン酸、GABAなどの遊離アミノ酸」などの栄養素が生成されます。食物繊維も多く含まれます(表2)。

表2(もやし100gあたりに含まれる栄養素)
  大豆 緑豆 ブラックマッぺ
エネルギー 37kcal 14kcal 15kcal
水分 92.0g 95.4g 95.0g
たんぱく質 3.7g 1.7g 2.0g
カルシウム 23mg 9mg 15mg
0.5mg 0.3mg 0.4mg
カリウム 160mg 69mg 71mg
ビタミンB‐1 0.09mg 0.04mg 0.04mg
ビタミンB‐2 0.07mg 0.05mg 0.06mg
ビタミンC 5mg 8mg 11mg
食物繊維 2.3g 1.3g 1.4g

(五訂日本食品標準成分表より)

4.もやしをおいしく食べるには

買ってきたもやしは袋に入っていますが、もやしも呼吸しているので、つまようじなどで袋に穴をあけた方が長持ちするようです。
ゆでる場合は熱湯でさっとゆで、ゆですぎないようにしましょう。冷ますときに水に浸けると水分が浸透して歯ごたえが損なわれ、味も落ちるといわれています。トレーなどに広げて冷ました方が、シャキシャキとした食感も残りおすすめです。

協力 : もやし普及委員会
ホームページ : http://www.moyashi.or.jp