タケノコ
成長力の強い竹は日本人の生活とはなじみが深く、いろいろと活用されてきました。その若芽である「タケノコ」も古くから食用とされています。そんな「タケノコ」の豆知識を紹介します。
1.タケノコについて
タケノコは、竹の地下茎の節から出る若芽です。漢字の「筍」は、地上に芽を出してから10日(一旬)ほどで竹になるといわれることに由来します。
日本で食用とされているものには、真竹(まだけ)、淡竹(はちく)、根曲がり竹(ねまがりだけ)などのタケノコがありますが、最も多く食用とされているのは、孟宗竹(もうそうちく)のタケノコです。国内の主な産地は本州、四国、九州などで、外国産としては中国などから水煮にしたものが輸入されています。
「孟宗竹」の名前は、中国二十四孝の一人である孟宗が、病気になった母親のために雪の中からタケノコを掘り当て、それを食べた母親が元気になった、という故事に由来するといわれています。
2.タケノコの選び方
タケノコは「朝掘ったら、その日のうちに食べろ」といわれるくらい鮮度が大切なものです。掘り出したばかりのものは生のまま食べることができるくらいえぐみがなく軟らかいのですが、時間がたつとアクが強くなりえぐみが増します。生のタケノコを購入するときは、なるべく新鮮なものを選び、できるだけ早く下ゆでをしてアクを抜く必要があります。
孟宗竹のタケノコの場合、ずんぐりとした形で重みがあり、皮の産毛がつやつやとしているものを選びましょう。切り口が白くてみずみずしいものが新鮮です。乾いて大きさの割に軽いもの、切り口が茶褐色に変色したものは鮮度が劣るので、避けた方がよいでしょう。なお、育ち過ぎたものは穂先が黄色から緑がかった色に変わり、えぐみが強くなります。
3.タケノコの切り方
繊維質のタケノコは根元になるほど硬くなるので、先端は大きめに、根元は薄く切ったり、細かく切ったりして食べやすくするのがコツです。一般に、煮物には横にやや厚めに切り、炒め物には縦に細切りすると、歯ざわりよく仕上がります。
また、タケノコの真ん中にすき間のある部分があります。縦に刻むときにはポロポロにならないようにするため、まず半分に切ってこのすき間部分を切り取り、そのあと、薄くスライスして千切りにします。
4.タケノコに含まれる成分
タケノコは、低カロリーでタンパク質を多く含み、ビタミンB1、B2のほか、食物繊維も多く含まれています。また、ゆでたタケノコのすき間のある部分によく見かける白い結晶のような物は、チロシンといわれるアミノ酸の一種で、老化防止などの効果があります。
タケノコに含まれるセルロースやリグニンといった多様な食物繊維は、便秘予防効果だけでなく、コレステロールの排出に効果があります。
また、豊富に含まれるカリウムは体内のナトリウムを排出する効果がありますので、高血圧の予防になります。
協力 : 福岡県森林林業技術センター
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