豆乳 [soymilk]
豆乳は、豆腐を作る際に大豆を水に浸してすりつぶし、水を加えて煮詰めた汁をこしたものです。そのため、豆腐と同様に低脂肪・高たんぱく質な健康食品としても飲用されています。豆乳はその優れた栄養により、子どもから大人まで、健康維持のためには積極的に摂取したいものです。今回は豆乳について豆知識を紹介します。
01 豆乳の種類
もともと豆乳は青臭くえぐみがあるため、飲み物として普及していませんでした。戦後から味の改良が重ねられ、1970年代に脱臭法が確立し、今では健康飲料として広く知られるようになりました。
豆乳は3種類に分類され、日本農林規格(JAS規格)により大豆固形分の含有量で区分されています。
区分 | 定義 |
---|---|
豆乳 | 大豆固形分8%以上(大豆たんぱく質換算3.8%以上) |
調整豆乳 | 大豆固形分6%以上(大豆たんぱく質換算3.0%以上) |
豆乳飲料 | A.果汁入り:大豆固形分2%以上(大豆たんぱく質換算0.9%以上) B.その他:大豆固形分4%以上(大豆たんぱく質換算1.8%以上) |
豆乳はパッケージに無調整豆乳とも表記され、大豆と水のみで作られたもので、にがりを加えれば豆腐を作ることができます。調製豆乳は、豆乳に砂糖や塩などで飲みやすい味にしています。豆乳飲料はフルーツなどの風味を加えて、さまざまな味を楽しめるのが特徴です。
02 豆乳は栄養豊富な飲み物
豆乳には、大豆たんぱくをはじめ、多くの栄養が含まれています。中でも特に注目したい栄養素を紹介します。
大豆たんぱく
大豆に含まれるたんぱく質は、動物性のたんぱく質に比べて低カロリーで基礎代謝を活発にする働きがあるほか、満腹感を得やすいので、ダイエットのサポートとして積極的に取りたい栄養素です。また、血中コレステロールの低下、血小板の凝集性を抑制するなど血流改善にも役立つといわれています。
イソフラボン
豆乳に含まれる大豆イソフラボンは、ポリフェノールの一種で、女性ホルモンに似た構造をしています。特に女性は閉経後に女性ホルモンのエストロゲンが不足し、骨粗しょう症になりやすいため、大豆イソフラボンを取ることで骨粗しょう症予防に役立てることができます。また、乳がんの予防にも期待されています。
サポニン
サポニンは便通の改善や小腸での脂肪吸収の抑制、血液中の余分な脂質の排出をサポートするなどの働きで、肥満予防に良いといわれています。また、抗酸化作用により、動脈硬化や身体の酸化(老化)予防にも期待できます。
レシチン
レシチンは、悪玉コレステロールの減少、血中コレステロールの低下、血液の流れを良くするなどの効果が期待されている成分で、生活習慣病予防に役立つといわれています。また、脳の細胞を活性化して認知症予防にも役立つ成分として注目されています。
これら以外にも、腸内環境を整えるオリゴ糖や抗酸化作用が期待されるフィチン酸やビタミンE、脳の機能を維持するビタミンB群、高血圧予防に役立つカリウム、ホルモン分泌臓器の働きを調整するマグネシウム、必須脂肪酸であるリノール酸やリノレン酸などの不飽和脂肪酸など、豆乳には健康をサポートする栄養がたくさん含まれているのです。
03 1日の摂取量
豆乳の摂取量は特に制限はありませんが、一般的には1日あたり、200mlを1~3本程度が推奨されています。また、大豆固形分が多いほど、たんぱく質も多くなりますが、大豆の固形分だけで選んだり、健康に良い、ダイエットに良いというだけで、飲み過ぎてしまうとカロリーの取り過ぎにもなってしまうので、他の食事とのバランスを考えて飲むようにしましょう。
04 豆乳で毎日の健康をサポート
豆乳は飲むだけでなく料理にもよく使われています。豆乳をそのまま飲むのが苦手という人には、無調整豆乳を使ってスープを作ったり、調製豆乳や豆乳飲料でスイーツやスムージーを作ったりなど、アレンジしやすいのも豆乳の良いところ。寒い季節には豆乳鍋で体を温め、たくさんの野菜を取るのもお勧めです。和風にも洋風にもさまざまにアレンジができるので、毎日の食事に取り入れて、健康と美容に役立ててみてはいかがでしょうか。
協力:日本豆乳協会
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