ウイスキー
ウイスキーの語源は、「ウィシュクベーハー(生命の水)」というゲール語です。ジャパニーズウイスキーは質が高く、スコットランド、アイルランド、カナダ、アメリカのものと並んで、世界5大ウイスキーに数えられています。今回は、ウイスキーについての豆知識を紹介します。
1. 国産ウイスキーの誕生
日本に初めてウイスキーがもたらされたのは、ペリー来航時といわれています。その後、次第に国内でも製造されるようになりますが、当時のものは中性アルコールに香料などを加えただけのイミテーションでした。
本格国産ウイスキーの製造は、1923年10月に鳥井信治郎氏が、京都の山崎においてモルトウイスキーの蒸溜所を建設したことに始まります。この蒸溜所の建設を担当したのが、スコットランドに留学し、ウイスキーの製法を学んだ竹鶴政孝氏です。両氏の尽力により、1929年に初の本格国産ウイスキーが発売されました。
2. ウイスキーのタイプ
- モルトウイスキー
- 大麦麦芽(モルト)のみを原料とし、糖化、発酵させ、単式蒸溜機で蒸溜して作られるウイスキー
- グレーンウイスキー
- トウモロコシなどの穀類を主原料に、大麦麦芽を加えて糖化、発酵させ、連続式蒸溜機で蒸溜して作られるウイスキー
- ブレンデッドウイスキー
- モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜ合わせたもので、最も一般的なウイスキー
原材料による分類のほかに、単一蒸溜所で蒸溜されたウイスキーのみで作られたものをシングルウイスキー、単一原料のみで作られたものをピュアウイスキーと呼びます。
3. 製法
モルトウイスキーは、大麦麦芽を使用して作られます。麦芽と水を原料として糖化、発酵させた「もろみ」を蒸溜し、アルコール濃度を高めます。この蒸溜したばかりの新酒(ニューポット)を樽に入れて熟成させます。この工程はエイジングと呼ばれ、熟成させることにより、無色透明だったニューポットが琥珀色に色づき、豊かな味わいと深い香りが生まれます。エイジングの際に用いる樽の材質や大きさ、樽内面の焼き方のほか、気温や湿度などの貯蔵環境も、ウイスキーの味わいに大きく影響します。
4. 含まれる成分
ウイスキーは蒸溜酒であるため糖質がほとんど含まれておらず、同じアルコール量で比較すると他のお酒よりも低カロリーです。また、痛風の原因となるプリン体がほとんど含まれていません。樽で熟成させる過程で、樽からポリフェノールが溶け出します。このポリフェノールには、動脈硬化や糖尿病の予防効果が期待できる抗酸化作用があります。
5. 飲み方
ウイスキーはさまざまな飲み方でアルコール度数を調整しながら楽しむことができますが、ウイスキーと常温の水を1対1の割合で注いだ「トワイスアップ」が、最もウイスキーの香りを味わうことができるといわれています。ストレートで飲む場合はチェイサーを用意し、交互に飲むのがお勧めです。また、炭酸水で割ったハイボールをはじめとして、カクテルとしても広く親しまれています。
6. ウイスキーキャット
ジャパニーズウイスキーは、スコットランドのスコッチにならって作られていますが、スコットランドではウイスキーの蒸溜所で猫が飼われています。これは、ウイスキーの原料となる穀物を鼠や鳥などから守るためで、ウイスキーキャットと呼ばれます。なかでも、グレンタレット蒸溜所にいたタウザー(メス)は、28,899匹の鼠を捕まえた猫としてギネス記録となり、銅像が建てられています。
ウイスキーキャットは、貯蔵環境の改善や食品衛生上の配慮から、最近では鼠を捕るためではなく、蒸溜所の看板猫として活躍しています。
協力:日本洋酒酒造組合
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