ワイン

ワイン

「ワイン」は、種類の豊富さや健康志向の高まりもあり、家庭で飲まれる人も多くなりました。その身近になった「ワイン」の歴史や健康面などについて取り上げます。

1.ワインの歴史

ワイン造りを証明する最も古いものがメソポタミアの先住民のシュメール人が残した約6000年前のものと思われるものが発見されています。紀元前4000~5000年ごろには、この頃の出来事を記録している「ギルガメッシュ叙事詩」のなかには、ワインの記述があり、紀元前3100~1500年に栄えたエジプト王朝のピラミッドの中の壁画に植物栽培やワイン醸造の絵が描かれてもいます。紀元前1700年ごろには有名な「ハンムラビ法典」にもワインの取引の記述があります。
ワインが一般化したのは紀元前1500年ごろ、クレタ島などエーゲ海の諸島に広がってからと考えられ、その後ギリシャ、さらにローマへと広がって行きました。紀元前600年頃にはフェニキア人によって南フランスのマルセイユにも伝えられ、その後勢力を強めてきたローマ人によってヨーロッパ全土に広がりました。
ワインはキリスト教とも関係が深く、キリストは「パンはわが肉、ワインはわが血」という言葉を残し、ワインは神聖で貴重なものとして歴史の中ではぐくまれてきました。

2.ワインの涙

傾けていたグラスをまっすぐ立てた状態に戻すと、ワインの跡が残ります。粘り気が強いワインは、グラスの内側にはっきり筋を残して落ちていきます。この筋のことを「ワインの涙」といいます。
粘り気が強いということは、アルコール度数が高いか、エキス分が高い(しっかりした味をしている)、またはその両方であることを示しています。

3.ワインと健康

フランス人だけは、動物性脂肪の摂取量が多い割に心臓疾患にかかる人が相対的に少なく、フレンチ・パラドックスと呼ばれています。これは赤ワインの摂取量にあり、日本の国立健康栄養研究所等からも、赤ワインに含まれるポリフェノールは悪玉コレステロール(LDL)の酸化を抑え動脈硬化を予防する効果があると報告されています。このため赤ワインを適量飲む人は心臓疾患にかかりにくいといわれています。
赤ワインと白ワインのそれぞれの特長は次のとおりです。

赤ワイン
  • 悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化を防ぐ。
  • 血小板の凝集を抑え、血栓症になるリスクを減らす。
  • 血液の流れをよくし、速度や流量を増やす。
  • 脂肪の吸収を抑える。
白ワイン
  • カリウムを多く含み、利尿作用がある。
  • カルシウムとマグネシウムをバランスよく含み、骨粗しょう症を防ぐ可能性がある。
  • 大腸菌やサルモネラ菌などへの抗菌力が強い。

協力 : 日本ワイナリー協会
ホームページ : https://www.winery.or.jp/