将来のための別枠の資金を用意していますか?
まず財産面、資産と負債の残高の把握です。預貯金、債券などの資産と住宅ローンなどの負債が、わが家にはどんなものがどれだけあるかを確かめ、現在の金額をできれば一覧表として把握することをおすすめします。資産額や負債額のそれぞれを合計し、資産から負債を引いて純財産額を計算します。
次に、自分のライフステージに照らし合わせながら、どのくらいの資金が必要になるか、偶発的な事故が発生したときに、十分な保障が得られるかを考えておく必要があります。目的をもって計画的に貯蓄をしたり、保険に加入し不測の事態に備えることが一層重要になってきているといえます。
- 将来のための別枠の資金を用意していますか?
- 換金性、安全性、収益性などを考えた運用を心がけていますか?
- ペイオフの内容について知っていますか?
- 現在加入している生命保険や損害保険、共済の保障内容を知っていますか?
- 株式・債券などの証券投資の知識がありますか?
資金運用のポイント
資金運用を行ううえでまず必要なことは、自分や家族の生涯生活設計に従って、「何のために」「いつ」「いくら」のお金が必要になるかという具体的な資金計画をたてることです。一般的には、資金はその性質に応じて、次の表のように分けられます。
資金の性質 | 予備資金 必要になった場合すぐ使用が可能なお金(病気や災害など不時の出費など) |
目的資金 将来的に使う目的が予定されているお金(教育資金、車の買い替え、住宅のリフォーム・改築費用など) |
余裕資金 当面使う予定のないお金 |
---|---|---|---|
金額のめやす | 生活費の3~6月分 | 使途目的に応じた額 | 貯蓄全体から左記の資金を控除した金額 |
重視するポイント | 流動性 | 安全性 | 収益性 |
換金のしやすさ | 元本や利払いの確かさ | お金の増えやすさ | |
具体的商品 | 普通預金・通常貯金・MMF・MRFなど | 定期預金(ネット定期)・定額貯金・個人向け国債など | 債券・株式・投資信託・外貨預金など |
優先順位 | 1 | 2 | 3 |
「予備資金」はいつ必要になるか分からないことから、普通預金などで確保し、流動性(換金のしやすさ)を最優先に考えます。金額のめやすは、毎月の生活費の3~6月分です。
「目的資金」は、定期預金などにより安全性(元本や利払いの確かさ)を重視するとともに、目的に合った期間が設定できるなど、目的に応じた商品を選択します。
「余裕資金」は、当面使う予定のないお金で、ある面長期間運用できるお金でもあります。万が一元本が減ったり、利払いが滞ったりしても、現在あるいは将来を見通した生活に支障のない金額を、多少リスクをとりながら収益をめざします。複数の金融機関、さまざまな商品に分散することで、お互いの弱点を補い合い、リスクを減らしながら運用することが基本的な考え方です。
当財団情報誌「教職員の生涯設計」の掲載記事を参考に
- 「資産運用の基本~マイナス金利を踏まえて~」93号(PDF:1.5MB)
日本銀行のマイナス金利政策を受けて… - 「金融商品の保護」71号(PDF:1.0MB)
銀行、証券会社、保険会社等が破たんしたら… - 「外貨投資の魅力と注意点」70号(PDF:1.4MB)
外貨建て金融商品に興味があるが… - 「歴史的円高における外貨建て金融商品について」74号(PDF:943KB)
外貨建て金融商品について、それぞれの特徴、メリットやデメリット…
保険と生活設計
これまでは、なんとなく勧められるままに、保険に加入していた人も多かったようですが、収入の減少、更新時期による保険料アップなどで、最近は保険の見直しが盛んになっています。保険の見直しを行う際には、生活設計や生活環境などを見直して、自分や家族がどのようなリスクに囲まれているかを洗い出してみることが大切です。
当財団情報誌「教職員の生涯設計」の掲載記事を参考に
- 「今なら間に合う豊かな老後のための保険の選び方・見直し方」89号(PDF:4.4MB)
保険の見直しの基礎知識… - 「医療保険」71号(PDF:1.0MB)
民間医療保険の基礎知識… - 「くるまの保険について」72号(PDF:1.2MB)
自動車保険の基礎知識… - 「火災や地震から大切な住まいを守る補償とは」75号(PDF:901KB)
火災保険・地震保険の基礎知識…
経済的備えに関するリンク
預貯金の基礎知識
預貯金にかかわる商品内容の基礎知識、ペイオフなどの基礎知識などが掲載されています。
生命保険・損害保険などの基礎知識
生命保険や損害保険の商品や加入にあたっての基礎知識、共済についての基礎知識が掲載されています。
証券投資の基礎知識
証券投資(株や債権など)の基礎知識や分かりにくい証券用語の解説、投資信託についての解説などが掲載されています。
くらしとお金の基礎知識
ライフプランとお金についての基礎知識が掲載されています。
参考
- 金融広報中央委員会 令和2年「家計の金融行動に関する世論調査」
老後の生活について「心配である」(「非常に心配である」と「多少心配である」の合計)と回答した世帯は78.0%と前年(81.2%)比、低下しました。「心配である」としている世帯では、その理由について「年金や保険が十分ではないから」が73.3%(前年73.3%)、「十分な金融資産がないから」は71.6%(前年69.7%)でした。 - 文部科学省 平成30年度「子供の学習費調査」
幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間の学習費総額は、すべて公立の場合は約541万円で、小学校だけ公立の場合は約1,063万円となっています。 - 日本学生支援機構 「平成30年度学生生活調査」
授業料などの学費と生活費の合計は、自宅から通う場合は国立大学が112万2300円、公立大学が113万300円、私立大学が181万800円で、下宿等の場合は国立大学が176万5800円、公立大学が168万1900円、私立大学が249万5300円となっています。 - 生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」
入院時の自己負担額、老後の最低日常生活費など具体的な生活費のめやすや介護に対する不安、生命保険の加入金額、これから力を入れたい保障準備などを調査結果から見ることができます。