週に2回以上汗をかくぐらいの運動をしていますか?
適度な運動は単にエネルギーを消費するだけでなく、筋肉の衰えを防ぎ、心臓・血管などの循環系の働きを円滑にしたり、また、骨に適度な刺激を与えることによって強度を保つなど、からだに数々のよい影響をもたらします。
運動とは「筋肉を活動させること」です。歩くこと、走ること、荷物を持つことすべてが運動です。私たちはすでに日常生活の中で、運動を行っています。その運動の内容を少し工夫するだけで、いつでも、どこでも、健康づくりのための運動を始めることができます。
- 週に2回以上汗をかくぐらいの運動をしていますか?
- 3階までは階段を昇り降りしていますか?
- 1日1万歩をめやすに歩くようにしていますか?
- 筋肉や関節を柔軟に保つように心がけていますか?
健康づくりのための身体活動基準2013
ライフステージに応じた健康づくりのための身体活動(生活活動・運動)を推進することで健康日本21(第2次)の推進に資するよう、新たな運動基準と運動指針となる「健康づくりのための身体活動基準2013」と「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」が策定されました。
「健康づくりのための身体活動基準2013」の概要は次のとおりです。
- 身体活動(生活活動および運動)*1全体に着目することの重要性から、「運動基準」か ら「身体活動基準」に名称を改めた。
- 身体活動の増加でリスクが低減できるものとして、従来の糖尿病・循環器疾患等に加え、 がんやロコモティブシンドローム・認知症が含まれることを明確化した。
- 子どもから高齢者までの基準を検討し、科学的根拠のあるものについて基準を示した。
- 保健指導で運動指導を安全に推進するために具体的な判断・対応の手順を示した。
- 身体活動を推進するための社会環境整備を重視し、まちづくりや職場づくりにおける保健 事業の活用例を示した。
血糖・血圧・脂質に関する状況 | 身体活動 (生活活動+運動)*1 |
運動 | |||
---|---|---|---|---|---|
健診結果が基準範囲内 | 65歳以上 | 身体活動を問わず、身体活動を毎日40分 (=10メッツ・時/週) |
今より少しでも増やす (例えば10分多く歩く)*4 |
- | 運動習慣をもつようにする (30分以上の運動を週2日以上)*4 |
18~64歳 | 3メッツ以上の強度の身体活動*2を毎日60分 (=23メッツ・時/週) |
3メッツ以上の強度の 運動*3を毎週60分 (=4メッツ・時/週) | |||
血糖・血圧・脂質のいずれかが保健指導レベルの者 | 医療機関にかかっておらず、「身体活動のリスクに関するスクリーニングシート」でリスクがないことを確認できれば、対象者が運動開始前・実施中に自ら体調確認ができるよう支援したうえで、保健指導の一環としての運動指導を積極的に行う。 | ||||
リスク重複者または受診勧奨者 | 生活習慣病患者が積極的に運動する際には、安全面での配慮が特に重要になるので、かかりつけの医師に相談する。 |
*1 「身体活動」は、「生活活動」と「運動」に分けられる。このうち、生活活動とは、日常生活における労働、家事、通勤などの身体活動をさす。また、運動とは、スポーツ等の、特に体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施し、継続制のある身体活動をさす。
*2 「3メッツ以上の強度の身体活動」とは、歩行またはそれと同等の身体活動。
*3 「3メッツ以上の強度の運動」とは、息が弾み汗をかく程度の運動。
*4 年齢別の基準とは別に、世代共通の方向性として示したもの。
【3メッツ以上の身体活動(歩行またはそれと同等以上の動き)の例】
- 普通歩行(3.0メッツ)
- 犬の散歩をする(3.0メッツ)
- 掃除をする(3.3メッツ)
- 自転車に乗る(3.5~6.8メッツ)
- 速歩きをする(4.3~5.0メッツ)
- 子どもと活発に遊ぶ(5.8メッツ)
- 階段を速く昇る(8.8メッツ)
【3メッツ以上の運動(息が弾み汗をかく程度の運動)の例】
- ボウリング、社交ダンス(3.0メッツ)
- 自体重を使った軽い筋力トレーニング(3.5メッツ)
- ゴルフ(3.5~4.3メッツ)
- ラジオ体操第一(4.0メッツ)
- 卓球(4.0メッツ)
- ウォーキング(4.3メッツ)
- 野球(5.0メッツ)
- ゆっくりとした平泳ぎ(5.3メッツ)
- バドミントン(5.5メッツ)
- ゆっくりとしたジョギング(6.0メッツ)
- ハイキング(6.5メッツ)
- サッカー、スキー、スケート(7.0メッツ)
(厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)について」を参考に作成)
運動に関するリンク
私たちはすでに日常生活の中で、あらゆる運動を行っています。ただし、からだのさまざまな能力を高めるには、その運動の強さや時間、回数などが、あるレベルを超えないと効果がありません。逆にいえば、今なんとなく行っている運動も強度・時間・回数を調節するだけで、衰えたからだを鍛えるためのトレーニングになります。
- (公財)健康・体力づくり事業財団
腰痛体操、朝の軽体操、健康づくりのための運動ほか - (公財)京都市健康づくり協会
ウォーキング、ストレッチ体操など - (公財)体力つくり指導協会
高齢者向けの運動 - (公社)真向法協会
真向法体操 - (公社)自彊術普及会
自彊術体操 - (公社)日本エアロビック連盟
エアロビック - (公社)日本3B体操協会
健康体操 - 厚生労働省 「健康づくりのための身体活動基準2013」
ライフステージに応じた健康づくりのために、身体活動(生活活動・運動)全体に着目した 新たな基準。併せてこれまでの「健康づくりのための運動指針2006」を改定し「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」を作成し、「いつでもどこでも+10」として、例えば今より10分多くからだを動かして健康寿命を延ばしましょうとしています。