食生活

好き嫌いは少ない方ですか?

健康を維持するために食事の果たす役割はとても重要なものです。飽食・グルメの時代とも呼ばれる現在、日本人の大半が過剰栄養状態にあるといわれています。運動で消費するエネルギーは意外に少なく、むしろ腹八分目といわれるように食事を控えめにすることが大切です。また、がん、心臓病、脳卒中などは生活習慣病と呼ばれるほど、食生活を含めた生活習慣によるところが極めて大きいといわれています。生活習慣病を予防するためにも、よい食習慣を身につけたいものです。

  1. 好き嫌いは少ない方ですか?
  2. 食事の内容や量には気をつけていますか?
  3. 野菜をとるように心がけていますか?
  4. 乳製品をとるように心がけていますか?
  5. 1日に必要なエネルギーの食事摂取量を知っていますか?

栄養バランスの基礎知識

自分ではダイエットのためなどと健康を考えたつもりで、米飯や肉類を一切とらなかったり、朝昼の食事を簡単にすませていることはありませんか。それでは、エネルギー摂取量は抑えられたとしても、生きるために必要なたんぱく質やミネラル、ビタミンなどの栄養素が不足しがちになります。食の豊かな時代のはずなのに、貧血、骨粗しょう症、そして時には脚気などが問題となってきています。

自分に必要な食事内容と食事のとり方を知り、食生活を自分で管理していくことが大切です。そのために、毎日とっている食事の栄養バランスや摂取量を知ることは大切なことです。

六つの基礎食品

1群 2群 3群 4群 5群 6群
血や肉や骨をつくる 体の調子をととのえる 力や体温となる
働き 主として
良質たんぱく質
主として
カルシウム
主として
カロチン
主としてビタミンC 主として
糖質性
エネルギー
主として
脂肪性
エネルギー
主な食品 肉・魚・卵
大豆
大豆製品
牛乳
乳製品
海藻・小魚類
緑黄色野菜 その他の野菜
果物
米・パン
めん類
いも・砂糖
油脂類

(厚生労働省「六つの基礎食品」より作成)

ビタミンについて

ビタミンを大きく分けると、水に溶けるものと油に溶けるものとがあります。水に溶けるものは、水溶性ビタミンといい、ビタミンB1、B2、B6、C、ナイアシンなどが知られています。これらの水溶性ビタミンは、役目が終わると尿と一緒に排出されてしまいますので、毎日とる必要があります。

油に溶けるものは脂溶性ビタミンといい、ビタミンA、D、Eなどが知られています。脂溶性ビタミンは、余ったものがからだの中の脂肪(肝臓の脂肪)に蓄えられ、それが少しずつ使われるために、1週間に2回くらいのとり方でも必要量がまかなわれます。

主なビタミンの働きと含まれている食品

名称 性質 生理作用 欠乏症 主な給源
ビタミンA
脂溶性
・水には溶けない
・熱には安定
・酸化されやすい
・上皮細胞を保護・発育させる
・細菌に対する抵抗力を増進する
・肝臓にたくわえられる
・薄暗いところで視力を保つ
夜盲症
眼乾燥症
角膜乾燥症
発育が止まる
皮膚や粘膜の上皮の角化
バター、チーズ、卵黄、魚卵、肝油、緑黄色野菜、牛乳
ビタミンD
脂溶性
・熱や酸にやや安定
・紫外線にあたると皮膚に生成され、主に肝臓にたくわえられる
・骨や歯のりん酸カルシウムの沈着を促す
・血液中のカルシウムおよびりん酸の平衡をつかさどる。
小児では、くる病
成人では、骨軟化症
肝油、肝臓、バター、魚肉
ビタミンE
脂溶性
・熱や酸に対して安定
・アルカリ、紫外線でこわれる
・生殖機能を正常に保ち、筋肉の萎縮を防ぐ
・ビタミンAの酸化を防ぐ
・赤血球の溶血を防ぐ
・体内にはほとんどたくわえられない
動物では不妊、流産
胎児吸収
精子の運動が弱い
米や小麦のはいが、サラダ菜、レタス、肝臓
ビタミンB1
水溶性
・水に溶けやすい
・加熱に対して酸性で安定
・アルカリ性で不安定
・紫外線で分解
・消化液の分泌を促進する
・食欲を増進させる
・神経系統の調整を行う
体重減少
食欲減退
消化不良
脚気
多発性神経炎
便秘、心肥大
米や小麦のはいが、外皮、卵黄、肝臓、豚肉、牛乳
ビタミンB2 水溶性
・B1より水に溶けにくい
・耐熱性、酸性で安定
・アルカリ性でこわれやすい
・酸化剤に安定
・紫外線にはとくに敏感
・発育を促進する
・アミノ酸・脂質・炭水化物の代謝に必要
・主体酸化の水素伝達作用
口唇炎
口角炎
角膜炎
発育阻害
肝臓、酵母、牛乳
ナイアシン 水溶性
・熱に強く、酸化や光に強い
・酸、アルカリに強い
・水には少し溶ける
・胃腸管のはたらきを正常に保ち、皮膚を健康にする
・主体酸化の水素伝達作用
口舌炎
胃腸病
皮膚炎
神経症状
酵母、肝臓、肉・魚・豆類、緑黄色野菜
ビタミンB6 水溶性
・酸性でやや安定
・中性、アルカリ性では不安定
・光により分解
・アミノ酸代謝に関係している酵素の補酵素として大切なはたらきをし、たんぱく質代謝に重要な役割をしている
・かぶれやにきびを予防する
成長が止まる
皮膚炎
貧血
先端疼痛症
酵母、肝臓、肉・魚・豆類、卵、とうもろこし、糖みつ
ビタミンC 水溶性
・熱、空気、アルカリ、酵素によりこわれやすい
・酸、低音にやや安定
・水に溶けやすい
・細胞内の呼吸作用に関与する
・コラーゲンの生成を増し、細胞間の結合組織を強くする
・体内にたくわえられる量は少ない
・病原菌に対する抵抗力を増す
壊血病
皮下出血
骨形成不全
貧血
成長不良
歯ぎん炎
みかん、いちご、トマト、緑黄色野菜、いも類、淡色野菜

(「646食品成分表 2004 五訂日本食品標準成分表準拠」一橋出版発行)を参考に作成

カルシウムについて

1日に必要なカルシウム量は、成人一人当たり600mgとされていますが、国民栄養調査(厚生労働省)では、毎年所要量を下回っているとの指摘がなされています。

カルシウムは、ビタミンD(肝油、レバー、いわし、しらす干し、かつお、まぐろなどに多く含まれる)と併せてとると、消化吸収がよいといわれています。

カルシウムを含む主な食品

食品 100g中の含有量(mg) 食品 100g中の含有量(mg)
牛乳 110 しらす干し(半乾燥品) 520
プロセスチーズ 630 うなぎのかば焼き 150
ヨーグルト 120 ひじき 1,000
煮干し 2,200 小松菜 170

(文部科学省「七訂増補日本食品標準成分表」より作成)

食物繊維について

最近大腸がんの増加が目立ってきたのは、食生活の欧米化にともない、動物性脂肪のとり方が多く、食物繊維のとり方が少なくなってきているからだといわれています。

食物繊維とは、人の消化酵素では分解されない食物の成分のことで、水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維に分けられます。不溶性食物繊維は、主として大腸がんの予防に効果があり、水溶性食物繊維は、動脈硬化などの予防に効果があるといわれています。

食物繊維を多く含む食品一覧

穀類 こむぎ、おおむぎ、小麦はいが
いも類 じゃがいも、さつまいも、さといも
種実類 落花生、ごま、アーモンド
豆類 だいず、いんげんまめ、あずき
野菜類 パセリ、めキャベツ、ごぼう
きのこ類 しいたけ、えのきたけ、まいたけ
藻類 てんぐさ、ひじき、あおのり

日本人の食事摂取基準(2015年版)-一部抜粋-

エネルギーの摂取量および消費量のバランス(エネルギー収支バランス)の維持を示す指標として体格(BMI)が採用されました。

目標とするBMIの範囲(18歳以上)

年齢(歳) 目標とするBMI(kg/m2
18~49 18.5~24.9
50~69 20.0~24.9
70以上 21.5~24.9
項目 性別 基準 単位 年齢区分(歳)
18~29 30~49 50~69 70~
※推定エネルギー必要量(参考) 男性 必要量 kcal/日 2,650 2,450 2,200
女性 必要量 1,950 2,000 1,900 1,750
食物繊維 男性 目標量 g/日 20以上 19以上
女性 目標量 18以上 17以上
ナトリウム (食塩相当量) 男性 必要量 mg/日
(g/日)
600(1.5)
目標量 (8.0未満)
女性 必要量 600(1.5)
目標量 (7.0未満)
カルシウム 男性 必要量 mg/日 650 550 600
推奨量 800 650 700
上限量 2,500
女性 必要量 550
推奨量 650
上限量 2,500

※身体活動レベル(ふつう)

(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」から一部抜粋)

脂肪について

脂肪は量だけでなく、質を考えることが重要です。脂質の中の脂溶性成分である脂肪酸には、大豆油・コーン油などの植物油や魚類の脂肪に多く含まれている多価不飽和脂肪酸と、牛肉や豚肉、バターなどの動物性脂肪に多く含まれている飽和脂肪酸があります。

飽和脂肪酸の量を多価不飽和脂肪酸の量より多くとっていると、コレステロールを増やし、さらにコレステロールが動脈壁にたまり、動脈硬化の原因となってきます。牛肉や豚肉、バターなどを控えて植物油や魚を食べるように心がけることが重要です。特にあじ、さば、いわしなどの魚に多く含まれる脂肪酸のイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などは、心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化の予防に効果があるといわれています。

善玉コレステロールと悪玉コレステロール

コレステロールはほかの脂質などと合成されてリポたんぱくとして働きます。
リポたんぱくには、主に体内のコレステロールを肝臓に運ぶ高比重リポたんぱく(HDL)と、主にコレステロールを体内の各所に運ぶ低比重リポたんぱく(LDL)があります。HDLのコレステロールは動脈硬化を防ぐ働きがあるので善玉コレステロール、LDLのコレステロールは多すぎると血管壁について動脈硬化の原因となるので悪玉コレステロールと呼ばれています。

しかし、体内のコレステロールが少なすぎても血管壁が弱くなり、脳出血の原因になることがあるので、悪玉といえども必要なのです。

コレステロール値が正常域にあるように留意して、動物性脂肪、植物油、魚油をバランスよくとることが大切です。